歯科はチーム医療で、ミーティングをする機会が多いでしょう。
しかし、全員から意見が聞けなかったり課題が解決しなかったりして時間を無駄にした…と感じるミーティングを経験した人もいるはずです。
診療もしなければいけない中で、貴重な時間を使うミーティングは意味あるものにしたいですよね。
そこで今回は、有意義なミーティングを実践する方法について詳しく解説していきます。
1ミーティングは3つに分ける
ミーティングは主に、次の3つに分けられます。
・トップダウン方式
・ボトムアップ方式
・ブレインストーミング方式
次からそれぞれについて、詳しく解説していきます。
2 トップダウン方式
トップダウン方式は、院長がスタッフに向けて連絡事項や行動してほしいことなどを伝えるのを目的にしたミーティングです。
指示や連絡事項などは、多く伝えすぎると相手の理解度が大きく低下する恐れがあります。そのため、スタッフに伝えるのは3つまでにするのがおすすめです。
また、指示を出すときに抽象的で曖昧な言葉を使うと、スタッフはどう行動していいのかわからなくなります。ハッキリと明確な言葉で相手に伝えるのを意識しましょう。
トップダウンが使えるミーティング例
・診療開始前のミーティング
3 ボトムアップ方式
ボトムアップ方式とは、スタッフから院長に向けて伝えるミーティングのことです。
例えば、院長がスタッフに頼んでいた仕事の進捗状況や報告、患者さんの個人情報(服用中の薬)など、現場で起きていることを院長にこの方法でミーティングをします。
このミーティングでスタッフから報告を受けた時には、必ずフィードバックをしましょう。報告に対して「わかった。」だけでは、次に仕事を任せたい時に引き受けてくれない可能性があります。
スタッフが頼んだ仕事をやり遂げたり、目標を達成したりした場合は、しっかりと評価しましょう。
また、マイナスの報告にはアドバイスを忘れないでください。
スタッフがミスをした報告があった時は、まず報告してくれたことを評価します。
その後、院長がアドバイスをして同じミスを繰り返さないように話しあいましょう。
ボトムアップが使えるミーティング例
・診療後のミーティング(午前、午後)
4 ブレインストーミング方式
ブレインストーミング方式は、全員参加するミーティングです。
みんなで意見を出し合って短時間でたくさんのアイデアを集めるのが目的です。
このミーティングでは、次の2つの注意点があります。
①ミーティングのゴールを全員で共有する
②他人の意見を否定しない
①ミーティングのゴールを全員で共有する
まず、ミーティングを始める前にゴールを全員で共有しましょう。
大勢でミーティングをした時に結論がでないのは、全員が最終的なゴールを把握していないケースが多いです。
そのため、紙やホワイトボードに目的やゴールを書き出して見えるようにしておくと、確認しながら話し合うことができるのでおすすめです。
②他人の意見を否定しない
ブレインストーミングでは、できるだけ多くの新しいアイデアを出し合うのが目的です。またアイデアに良い、悪いはありません。
否定的な返しをすると、相手は「自分の意見は必要ない」と感じて発言しなくなる傾向があります。
相手の意見は、肯定的に認めましょう。
「そういう意見があるんだね。」「そうなんだ。」などというように相手の意見を認めるだけで良いのです。
その結果、相手は「自分はチームの一員だ」「自分が発言しても良いんだ」と感じて積極的にアイデアをだす傾向があります。
ブレインストーミングが使えるミーティング例
・歯磨き月間にどんなイベントをするか
・ハロウィンと歯科を組み合わせてどんなイベントをするか…など
5 まとめ
今回紹介したミーティングの方法は、次の3つです。
・トップダウン方式
・ボトムアップ方式
・ブレインストーミング方式
この3つの方法を目的によって使い分けることで、効率的にミーティングを行えます。
まずは、普段行っているミーティングがどの方法に当てはまるのかを確認してみましょう。
有意義なミーティングをして、より良い歯科医院にしていきましょう。
歯科衛生士 帆保智子