小児患者さんを増やすことは、歯科医院が継続していくためには欠かせない取組の一つといえるでしょう。
しかし、実際は高齢者の多い地域で、なかなか小児患者さんが来ないという歯科医院も多いかと思います。
ですが、少子高齢化の進んでいる地域でも、小児患者さんを増やすための「予防ツール」を強化したことで、定期的に来院される小児患者さんが増えた歯科医院があります。
今回は、そんな小児患者さんを増やすきっかけとなる予防ツールの活用法についてご紹介していきます。
1.虫歯予防の説明ツールは小児患者さんに必須
小児患者さんを通わせる保護者の多くは、定期的に虫歯予防のために歯科医院に通いたいと考えています。
しかし、予防歯科といってもたくさんの歯科医院があり、どの歯科医院へ通わせればいいのか悩んでいる保護者の方も多いです。
そこで活用したいのが小児患者さんに向けた「虫歯予防説明ツール」です。
具体的に説明します。
虫歯予防説明ツールには以下のことを記載しましょう。
・小児のう蝕の進行スピードの速さ
・フッ素塗布の重要性
・虫歯予防としてのシーラントの価値
以上のことを記載するだけで、保護者の方は歯科医院の予防に対する取り組みを理解し、定期的に通ってくれるようになります。
歯科医にとって、乳歯はう蝕の進行スピードが早いことは当たり前であっても、保護者は永久歯も乳歯も進行スピードは変わらないと思っているかもしれません。
自分の永久歯は半年間、検診をしていなくても虫歯になりません。
それは成熟永久歯だからであって、乳歯には当てはまりません。
そういった説明をするだけで、保護者はお子さんのために歯科医院に通ってもらえます。
また、シーラントという予防処置を行うことで、生えたての永久歯の虫歯予防ができることを保護者に理解してもらうことも定期的に通ってもらうためには必要です。
2.矯正治療ツールで矯正潜在患者へアピール
保護者の方が定期的にお子さんを通わせるには虫歯予防だけでなく、歯並びの面からもアプローチすることをおすすめします。
歯並びへの関心は年々増しており、小児の時期から矯正治療を受けるべきだという考えが浸透しつつあります。
小児患者さんは矯正潜在患者さんです。
矯正治療は分野が広いのですが、以下の内容を主に説明ツールとして作成するといいでしょう。
・反対咬合、上顎全突を放置して大人になったときのデメリット
・不正咬合の種類
・小児期にできる矯正治療と治療期間
保護者からすれば、「不正咬合がお子さんのコンプレックスになってしまうかもしれない」とすれば、なんとしてでも治療したいという思いが強いです。
中には、不正咬合に対してコンプレックスをあまり抱いておらず、個性の1つだと感じている保護者の方もいます。
しかし、反対咬合であれば、発音や咀嚼がうまくできずに、成長を抑制してしまう恐れもあります。
不正咬合を治療することで得られるメリットが、見た目以外にもあることを伝えられる矯正治療説明ツールを作成しましょう。
それだけでも矯正治療に興味を持つ患者さんが増えます。
3.物販への促進ツールも作ろう
小児患者さんには小児患者さんにしか使えない物販があります。
歯磨き粉も歯ブラシも小児用のものは在庫としてあるものの、全く売れていない歯科医院が多いようです。
先生の医院はいかがですか?
虫歯予防の説明ツールを作成する際に、物販の説明ツールとしても使えるように小児向け予防グッズの宣伝もするのがおすすめです。
小児患者さんへの主な物販商品は、どの歯科医院でも歯磨き粉と歯ブラシです。
【どうして小児用の歯磨き粉、歯ブラシがおすすめなのか?】
このことを、説明ツールとして紙1枚にメリットを記載するといいでしょう。
多くの歯科医院が取り入れている小児用歯磨き粉であれば、
・発泡性が少ないのでフッ素が口腔内に残りやすい
・研磨剤が配合されていないので、乳歯への侵襲が少ない
といったメリットが挙げられます。
そういったメリットを宣伝することで、保護者の虫歯予防への関心も高まります。
ぜひ小児患者さんを増やすためにも様々な種類の予防ツールを作成してみましょう。