医院が順調に成長し、患者さんやスタッフの数が増えてくると医院内で様々な問題が起きてきます。
スタッフ間の情報共有がうまくいかず、人間関係がギクシャクしたり、患者さんからのクレームが増えたり、というのも起こる問題の一つです。
今回は、多くの医院で問題になっているスタッフ間の情報共有の方法やポイントについてお伝えしていきます。
▼情報共有の重要性
歯科医院が成長、拡張していく場合、情報共有の重要性は増してきます。
院長先生が一人でスタッフが10人以内という小規模医院であれば、特に工夫をすることなく診療が回ることもあります。
ですが、医院が成長しスタッフが増え情報共有がうまく行えていないと以下のような問題が置きます。
・コミュニケーションのズレが原因で患者さんからのクレームやスタッフの離職
・責任者である歯科医師に毎回確認が必要なため診療効率が低下
・責任者が定められていないので伝える内容がころころ変わる
このような問題を起こさないためには、情報共有をストレスなくスムーズに行える仕組みづくりが重要になります。
▼ルールやツールはシンプルに
情報共有で大切なのは、ルールやツールをシンプルにすることです。
情報共有で思いつくのは、朝礼やミーティング、連絡帳といった昔ながらの方法もありますし、最近ですとLINEやSlackといったアプリを利用して行う場合もあります。
結論から言うと、方法はどれでも構いません。院長先生の好みやスタッフの年齢などによって最適な方法は異なるでしょう。
情報共有で重視するのは、歯科に馴染みのないスタッフでも今までの共有されていた内容や緊急で共有されるべき内容がすぐに分かることです。
細かい情報まで何でも共有するのではなく、必要な情報のみを簡潔に、だれでも共有できるような環境を作りましょう。
▼歯科医師はカルテの書き方を統一する
歯科医師が複数人いる場合にはまずはカルテの書き方を統一しましょう。
医院運営の情報を共有する必要があるスタッフとは別に、歯科医師は患者さんの情報を共有する必要があります。
歯科医師は研修医時代や新人時代にカルテの書き方を学ぶのですが、研修施設や歯科医師毎にカルテの書き方が異なる場合があります。
医院で働いている歯科医師はカルテの書き方を統一しましょう。多くの歯科医師が一度は触れたことがあるSOAP形式でまとめるのが無難です。
担当医制度で診療を行っていたとしても、急患対応時また退職後に他の歯科医師が患者さんを担当することがあるので、カルテの書き方を統一することは必須とも言えるでしょう。
▼定期的に見直す
医院内での情報共有がうまく行っているのか定期的に見直しましょう。
スタッフの人数や年齢によって最適な方法は異なります。
また、以前はうまく行っていた方法だとしても運用していく間に、スタッフが慣れ緊張感がなくなっていった結果、形骸化してしまうことも珍しくはありません。
少なくとも1年に一回はスタッフ間の情報共有の方法について見直し、改良していくようにしましょう。
▼まとめ
スタッフ間の情報共有についてお伝えしてきました。
情報共有のルールやツールを整えることで、院長先生が判断をする必要のない仕事はスタッフが自分達ですすめてくれるようになります。
また、いまは問題ないとしても将来どうなるのかはわかりません。
問題や課題がないかを定期的に見直し、医院運営を続けていきましょう。
歯科医師 K.A.