近年開業する歯科医院では、小児歯科に力を入れている医院が増えています。
それは、小児歯科を標榜しアピールすることで様々なメリットがあるからです。
今回は、小児歯科に力を入れるメリットについて、またその際に気をつけるべきポイントについてもお伝えしていきます。
▼他院との差別化が簡単にできる
小児歯科に力をいれることで他院との差別化が簡単にできます。
近年は小児歯科を積極的に受け入れる医院も増えてきましたが、ご年配の先生ですと小児患者を見ることを嫌がる先生もいますし、キッズルームやトイレにオムツ台がないなど設備面が古い等、まだ積極的に受け入れている医院は少ないのが現状です。
また、ほかの標榜項目である『歯科口腔外科』『矯正歯科』は専門知識や経験が必要なのに対して小児歯科はある程度の臨床経験があると行うことができるのもポイントでしょう。
▼小児患者の家族も来院してくれる
小児患者に力を入れることで、小児患者の来院が見込めるだけでなく、家族が来院するきっかけを作ることができます。
自分の子供に対しての医院の対応を見て好印象だと、付き添いの保護者やその兄弟も通ってくれる可能性があるということです。
子供の診療の際、兄弟のお口の事についての相談や自分の治療についてお話をする親御さんは思っているよりも多いのです。
また子供がいなくても、小児歯科に力を入れている医院は、先生やスタッフが優しいので、歯科に苦手意識があっても通いやすい、と思って通う患者さんもいます。
▼矯正治療に繋げられる
矯正治療に繋げられるのも大きなメリットです。
小児の定期検診で通ってくれる患者さんは、お口に対する意識も高いため、矯正カウンセリング、矯正治療に繋げられる可能性が高いです。
矯正を始めるのに最適な時期より前から通っていただき、予防や食育についてのお話をして、適齢期になったら矯正のお話もするという流れを作ることができます。
矯正治療につなげることで経営面での大きなメリットを得られる可能性があります。
▼小児歯科に力をいれるときに気をつけるポイントB
・キャンセル率が高い
小児患者は成人に比べてキャンセル率が高いので注意しましょう。
特に未就学児は、体調を崩しやすいですし、小児本人だけではなく、兄弟や親御さんが体調を崩すこともキャンセルの理由になります。
体調不良は仕方のないことですので、アポイントを組む際にはある程度キャンセルがあっても対応できるようにしましょう。
・立地に依存しやすい
小児患者は成人よりも立地に依存しやすいです。
大型ショッピングモールや住宅地に近い立地は有利ですが、ビジネス街などですと集客そのものが難しいでしょう。
・将来的に子供の数は減少する
地域によって時間差はありますが、将来的に子供の数は減少します。
小児歯科に力を入れていても母数となる子供の数自体が減るので長期間で小児患者を経営の中心に置く場合には、それなりの対策を考える必要があるでしょう。
▼まとめ
小児歯科に力を入れるメリットについてお伝えしてきました。
小児歯科は比較的、参入障壁が低く、また小児をきっかけに家族の来院も見込むことができます。
更に、矯正歯科につなげることで自費診療による経営の安定化も図ることができます。
いくつか気をつけるべきことはありますが、小児歯科に力を入れるメリットは大きいでしょう。
歯科医師 K.A.