患者さんやスタッフとの信頼関係を、深めることに終わりはありません。信頼は誤った言葉や行動ですぐに失ってしまいやすく、維持するのが難しいです。
そこで今回は、信頼関係を維持する方法について解説します。
褒めるよりも否定しない
信頼関係は相手を褒めることより、否定しないことが大切です。たとえば、どんなに笑顔が素敵で優しいといったプラスな部分が多くあっても、挨拶をしてくれない、食べ方が汚いなどのマイナスな部分が際立つと、印象が悪くなり一気に人が離れてしまう傾向があるのです。
また、コミュニケーションによるマイナスは、相手のことを否定すること。どれだけ良いところがあっても、否定する癖があると人は離れてしまいます。
自分では「人に対して否定していない…」と思っていても無意識で相手を否定してしまっていることが多いです。たとえば、否定ではなく正論を言っている、相手を思って自分の言いたいことをアドバイスする、相手の話を遮って一方的に話始めるなども、相手を否定することになります。
さらに、会話だけでなく相手の目を見ない、違うことをしながら話を聞くなどの行動も相手を否定することに繋がります。人は認められたい性質があるため、否定していると人間関係は全て上手く行かなくなり、院長が孤立してしまう原因にもなるのです。
過剰に期待しない
スタッフや患者さんに対して「これくらいできるだろう」「これくらいやれるだろう」という思い込みをすると、できなかった時に不平不満になり、つい相手を否定してしまいがちです。
たとえば、新人スタッフに対して「これくらいできると思ったんだけどな」「学校で何を習ってきたの?」とポロッと出た言葉で相手を否定してしまうことがあります。また、患者さんの場合「歯磨きができていないですね」「その歯ブラシは合っていないですよ」といったニュアンスも患者さんによっては自分を否定されたと感じやすいです。
それに加えて、注意やアドバイスをしてしまうと、相手は萎縮してしまい、場合によってはスタッフの退職や来院数の減少といった問題に発展することも少なくありません。
否定するのは、勝手に相手に大きな期待をかけるためです。相手のパフォーマンスが低かったとしても、まずはその人なりに精一杯やっているという事実を認めて「どうすればできるのか?」「どのレベルならできるのか?」などを一緒になって考えるのが相手の成長にもなり、信頼関係にも繋がります。
”かもしれない”を付けて視野を広げる
否定する時は、反射的に口から出てしまう傾向があります。反射的に否定的な言葉が出る前に、頭の中で否定を転換するのがおすすめです。
たとえば、〜と思っている自分が間違っているかもしれないと考えることで、正論を振りかざして相手を否定することが減る傾向があります。
態度で否定しない
言葉だけでなく、行動によっても相手を否定していると感じることがあります。たとえば、目を合わせない、相槌がない、作業をしながら話を聞くなど、相手を見ないという行為はあなたに興味がないというメッセージを送っていることと同じです。
そのため、会話中は相手に集中してできるだけ、笑顔で接しましょう。笑顔は相手を安心させたり、話すのが楽しい気持ちになったりと雰囲気がよくなります。
その結果「〇〇歯科医院は雰囲気が良いし、しっかり話を聞いてくれる」「院長はいつも笑顔で一緒に仕事をするのが楽しい」と好印象を持ち、信用が深まりやすいです。
まとめ
人は否定をされるのを嫌がり、否定する人とは一緒にいたくない傾向があります。否定する言葉や行動をし続けると、スタッフや患者さんとの信頼関係が失われ、退職や来院患者の減少にも繋がります。
信頼関係がしっかりとできた時こそ、相手を否定しない会話や行動に注意が必要です。
歯科衛生士 帆保智子