開業して順調にやってきたのに、最近、受付が患者さんのクレームを毎回のように伝えてくる、と悩んでいる歯科医の先生がいます。
歯科医院を経営していく上で、今までにクレームを受けたことがないという歯科医院はまずありません。
しかし、クレームの多い歯科医院とクレームの少ない歯科医院があるのもまた事実です。
では、クレームの多い歯科医院と少ない歯科医院の違いはいったい何なのか、詳しく解説していきます。
1.なぜクレームが多いのか?
クレームの多い歯科医院では、毎日ということはなくても、毎週のように受付がクレームを受けていたりします。
そのせいで受付も、受付業務が嫌になって辞めてしまう場合もあります。
ではどうしてクレームが多いのでしょうか?
確かに治療の痛みでクレームを言ってくる場合もありますが、多くの場合は患者さんの意図していたことを歯科医院サイドが十分に理解できていなかったことにあります。
例えば、右上の歯が痛いのに下の歯を治療されたとします。
実際に上下の歯が痛くても下の歯が原因なこともあります。
ですが、患者さんからすれば、自分の考えと歯科医の治療に齟齬がでてしまうので、不安を覚えます。
そこに待ち時間が長い、スタッフや受付に質問しにくい状況がつのれば、不満も大きくなります。
その結果、次の受診の際には、クレームとなって受付に伝わってしまうのです。
歯科医の先生はなぜ、その治療をしたのか、患者さんは上だと思っているのに、なぜ下の歯の治療をするのか、その説明をきちんとしなくてはいけないのです。
2.クレーム対策にはまず受付
患者さんの主訴をしっかりと聞いて、きちんと説明しているにも関わらず、クレームが多くなる歯科医院があります。
その多くは「受付」です。
それは歯科医院の口コミサイトをみれば一目でわかります。
歯科医院のクレーム口コミを見てみると「受付の対応がなってない」という意見が多いです。
受付は、一番最初に患者さんに対応し、そして一番最後に対応する部署です。
そのため、どんなに素晴らしい対応をしたとしても、最初と最後の印象が最悪ではその歯科医院には不満しか残らないのです。
院長先生の治療説明を見直すとともに、受付が普段、どのような態度をとっているのか、診療でなかなか忙しくはありますが、注意を払っておくことが重要です。
受付の対応を改善するには、何よりもアポイントに重きをおきましょう。
ワントーン明るい声に、笑顔で対応することはもちろん、アポイントが多いと受付が急患の予約を勝手に断ってしまうことがあります。
そういった患者さんにとって、不利益になることをしてはいけないことを改めて伝え、万が一、そういった対応をしたスタッフがいれば反省文、さらに続くようであれば、厳重注意だけではすまないことをきちんと院長先生がスタッフに伝えておくことが重要です。
3.院長の親切な対応がクレームを減少させる
しかし、どんなに素晴らしい受付で素晴らしい治療をしていたとしても、クレームは0にはなりません。
理不尽な患者さんは一定数いらっしゃいます。
ではそんなクレームにはどのように対応すべきなのでしょうか?
細かいクレームは、確かに受付などである程度対応してもらうことが望ましいです。
ですが、スタッフだけではどうにもならないこともあります。
そこで大切になってくるのが院長先生の対応です。
やはり責任者である院長が、丁寧なクレーム対応をすることで患者さんも納得してくれます。
丁寧な対応は患者さんに安心感を与えます。
その結果、患者さんが歯科医院のリピーターになることもあるのです。
また院長のクレーム対応を見ることで、スタッフも安心して歯科医院で働くことができます。
毎回対応する必要はありませんが、いざというときには院長が対応することで、患者さんだけでなく、スタッフの満足度も向上します。
なかなか難しいクレーム対応ですが、ぜひ院長先生も対応し、クレーム対応一覧を作ってみるといいでしょう。
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