スタッフが失敗をしたときや、教育をするときに
思ったことをそのまま伝えていませんか?
相手によっては、「嫌な言い方をされた」「上から目線で嫌だな」
などと感じているかもしれません。
とはいえ、失敗を放置したままにはできないし、相手のやる気がなくなるのも困りますよね。
そこで今回は、スタッフに嫌われない指導法について解説していきます。
春は新しいスタッフを迎え入れる歯科医院も多いと思います。
是非、スタッフ教育の参考にしてください。
スタッフに嫌われない指導法
スタッフに嫌われない指導法のポイントは、次の3つです。
・相手に逃げ道を用意する
・アドバイスを求める
・相手からの行動を待ちすぎない
それぞれについて、解説していきます。
相手に逃げ道を用意する
スタッフの意見に対して、反対意見を言う場面があると思います。
そんなときは、相手に逃げ道を用意する方法がおすすめです。
逃げ道を用意する前に、まずは相手の話を最後まで聞きましょう。
話を聞いているときは、話の合間に頷いて話を聞いている素振りをみせます。
そして、相手の話が終わった後、間をおいてから「確かに〇〇さんの、△という提案は良いよね。」と内容の一部分を認めてから、控えめに反対意見を切り出していきます。
例えば、予約時間を過ぎている患者さんを待たせている場合。
Aさん「予約時間から10分経ったときに今の状況説明と、もう少しお待ち頂けるかを確認します。」という意見に対して、「確かに、診療状況とお待ち頂くことを患者さんに確認するのは大事だよね。ただ、これはぼくが思ったことなのだけれど、予約時間から10分後に声かけするのは少し遅いかな…と感じるけれど、どうかな?」
と言うように、反対の意見を伝えるときは、相手の良かった部分を先に伝えてから、反対意見を切り出すと、相手は嫌な思いをしにくいです。
また、「Aさんのように声かけするのは、予約時間から10分後でも良いと思う人もたくさんいるよね。予約時間を1分過ぎただけで謝罪に来られても困る人もいるよね。」
というように、Aさんの提案は間違いではない、そういう考えもある。などの相手にとっての逃げ道をつくります。
相手の話が終わってすぐに反対意見を伝えてしまうと、自分の話を聞いていないと感じたり、自分が意見を言っても意味がないと考えたりして、今後自分の意見を言わなくなる恐れがあります。
反対意見を伝えるときは、控えめに言いつつ、あなたの意見は間違いではないと相手の自尊心を傷つけないことが大切です。
アドバイスを求める
相手を動かすとき、特定のスタッフに何かをやってほしいときは、アドバイスを求めるのが効果的です。
例えば、虫歯治療の説明をAさんに頼む場合。
一般的には、「虫歯治療の流れはこう伝えて」「私と同じ説明をして」と、命令口調になりがちです。
命令口調で指示すると、相手は萎縮する傾向があります。
そこで、「Aさんに虫歯治療の流れを患者さんに説明してほしいのだけれど、絵を使った方が良いかな?」
「口だけじゃなくて、模型も使ったら説明しやすいかな?」というように、質問しながら相手の意見を取り入れていきます。
人はアドバイスを求められると、自分は必要な存在と思う心理があります。
その結果、自分の知恵をもっと生かしたいと、積極的に取り組む傾向があります。
相手からの行動を待ちすぎない
・わからないことがあったら部下から聞くべき
・聞かずに目で学べ
といった風習が、まだ日本では残っているところが多いです。
そういった考えをもつ人の下で働くスタッフは、使えない人と思われる…と感じて、なかなか質問ができない傾向があります。
特に新人スタッフは、質問を繰り返すと相手に嫌われて教えてもらえないかも…と感じる人が多いでしょう。
そのため、院長からスタッフに質問がないかを聞くようにしましょう。
院長から声かけをすることで、相手も質問しやすくなり信頼関係を築きやすくなります。
まとめ
スタッフへの教え方を間違えると、辞める原因にもなりかねません。
まずは、相手が質問しやすい雰囲気や環境づくりが大切です。
また、新人スタッフを教育するときは、あらかじめ、指導するスタッフと教え方について話しあっておくと、トラブルが起きにくいでしょう。
スタッフと良好な関係を築くためにも、今回の教え方をぜひ実践してみてください。
歯科衛生士 帆保智子