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分院展開!考えるべき事を整理しましょう

2023.08.14

医院経営が順調、売上も安定し、スタッフも成熟してくると分院展開を考える院長先生は多くいらっしゃると思います。
ある種、一軒目の医院経営がうまく行った次にステップとして分院展開が当然の様に考えられているのかもしれません。
ですが、分院展開は本当に必要なのでしょうか?
今回は分院展開を考える前に、整理すべきこと、やるべきことをまとめて見ました。

▼分院展開をする目的をはっきりさせる

まずは分院展開をする目的をはっきりさせましょう。
目的によって、展開の方法や、目標設定もことなります。
なんとなく、医院経営がうまく行った次のステップ、経営コンサルや材料屋さんに言われたから、という理由での分院展開をするのは好ましくありません。
医業収入を増やしたいのか、自費診療もしくは特定のジャンルに特化した医院を作りたいのか、増加したスタッフの活躍できる医院をつくりたいのか、まずは分院展開の目的を書き出すと良いでしょう。

▼医業収入は増加するがストレスも増加

分院展開をすることによって医業収入は増加しますが、経営の規模が広がるためストレスも増加することは予想しておきましょう。
資金繰りに関するストレスだけではなく、管理する範囲が増えることに対してもストレスが発生します。
最初から信頼がおける人に分院を任せることができれば良いのですが、最初は自分で行ってしまうケースが多いため、労働時間も増えてしまいます。
最初の分院展開の時点ではシステムや人材教育の構築を行っていないことがほとんどですので、開業時よりも大変に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
増加する医療収入に対して、ストレスが割に合うのかを分院展開前に考えましょう。

▼人材確保が継続的に行えるかが鍵

分院展開を考える時に一番重要なことは、人材確保が継続的に行えるかどうかです。
立地にもよりますが、歯科助手や歯科衛生士に比べて歯科医師を確保する難易度は年々上がっています。
また、分院は新卒や経験年数の浅い歯科医師一人で任せることはできないため、ある程度経験年数のある歯科医師の確保、もしくは短期間での教育が必要になります。
分院展開を考える前に、継続的に人材を確保するルートがあるのかを確認しましょう。
人材確保は、求人サイトや転職エージェントだけではなく、セミナーや母校の県人会などに直接足を運び声をかける方法も効果的です。
ある意味で、院長先生の一番の仕事は人材を確保すること、と言えるかもしれません。

▼分院展開の前にシステム作りを行いましょう

分院展開を考える前に、今の医院で院長先生が働かなくても回るようなシステム作りを行いましょう。
マニュアルや教育カリキュラム、医院のルールは明文化して、共有することは必須です。
本院だけであれば、スタッフの裁量まかせ、細かい部分は現場で調整するという方法でも経営することは可能ですが、分院展開する場合にはそれではうまくいきません。
院長先生のマンパワーに頼る、また優秀なスタッフに依存する経営ではなく、システムを構築し均一な経営ができることが重要です。
システムが構築してあれば、院長先生の仕事量も少なくすることができ、分院展開にかかるストレスを減らすことができます。

▼まとめ

分院展開は本当に必要なのか、事前に考えるべき事についてお伝えしてきました。
分院展開を行う前に、目的を明確にする、増加するストレスに対して耐えられるか考えましょう。
また、分院展開には継続的な人材確保が必須なため、そのルートも事前に作っておくと良いかと思います。
何も考えずに勢いで分院展開をして、後から修正することも可能ですが、先にある程度のことを考えて置くことでスムーズな分院展開を行えるでしょう。

歯科医師 K.A. 

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