院長には愛嬌力が必要ないと思っている人もいるかもしれませんが、院長にこそ愛嬌力が必要です。なぜなら、トップに立つ人に愛嬌がないと人や情報が集まらないからです。
院長に人が集まる雰囲気や魅力がないと、スタッフが安定せず辞めたり患者さんがリピートしなかったりする可能性が高くなります。
とはいえ「愛嬌力って具体的にどういうこと?」「愛嬌力の高め方は?」と思っている院長もいるでしょう。
そこで今回は、愛嬌力について紹介していきます。愛嬌力と仕事の成功との関係性や愛嬌力を高める習慣なども合わせて解説しています。
・リピーターの患者さんが少ない
・スタッフの離職率が高い
などと悩んでいる院長は、是非この記事を参考にしてください。
愛嬌力と仕事の成功の関係性
仕事で成果を出すには、チームメンバーで信頼し協力し合う必要があります。そもそも、人の心は感情で動くと言われていて、どれだけスキルや正論で相手に伝えても人の心は動かないのです。
「院長を応援したいな」「院長になら相談しやすいな」などと、スタッフや患者さんから思われるには何よりも相手の心にすっと入り込んで相手の心を掴み、相手の心を動かす力が必要です。
つまり、愛嬌力が必須になります。
また、愛嬌力があることで次のようなメリットが得られます。
・人の印象が180度変わる
・人間関係の質が良くなる
それぞれについて詳しく解説していきます。
・人の印象が180度変わる
笑顔で挨拶をしてくれる人は可愛いくて、身振り手振りのジェスチャーを使いながら堂々とプレゼンする人は説得力があるように感じませんか?
逆に、いつも無愛想な人は話しかけづらいと感じる傾向があり、身動きせずにボソボソ話す人のプレゼンは、どんなに内容が良くても説得力が無いように感じやすいです。
つまり、愛嬌のある人は初対面の人との会話でも第一印象で好感度が高くなりますが、愛嬌のない人は話し終えた瞬間から印象が薄らいでいきます。
相手に「もっと話したい」「もっと話を聞きたい」などと思ってもらえるかどうかは、愛嬌力によって変わってくるのです。
・人間関係の質が良くなる
前述したように愛嬌があるかないかで、第一印象が大きく変わります。
第一印象は愛嬌を身につけなくても見た目に清潔感を出したり、はっきり喋ったりするだけで良くなります。
しかし、いくら第一印象を良くして人間関係の幅を広げても愛嬌がなければ、その後お互いを信頼し合えるような質の高い人間関係を築くことはできません。
なぜなら、第一印象だけを良くしただけでは、相手の心を動かすことができないからです。相手の心にすっと入り込み「この人を応援したい」「この人なら信頼できる」と相手に思ってもらうには、愛嬌力があってこそになります。
愛嬌力がある人の特徴
愛嬌力がある人には、次のような特徴があります。
・笑顔で素直に表現する
愛嬌がある人は話しかけたらいつも笑顔で返事をする、周囲の人まで明るい気分にさせる傾向があります。
しかし、マスクをした状態で笑顔を作っても表情が見えづらく、感情が患者さんに伝わりにくいです。
特に歯科医院では、マスクをしたまま患者さんと話す機会が多いと思いますが、自分が思う以上にわかりやすい表情で患者さんと接することが大切になります。
笑顔や話しが伝わっていると思っても、意外と相手に伝わっていないことが多いためです。マスク越しでも口角をあげて話すと、表情の明るさは患者さんに伝わります。
また、身振り手振りを加えながら治療説明をすることは患者さんの理解度が深まるだけでなく、院長の頑張りが伝わります。
愛嬌力のある人は笑顔だけでなく、素直な表現で伝えようとするため誰からも愛されるのです。
・礼儀正しく安心感を与える
礼儀正しいとは「挨拶を欠かさない」「返事ができる」「相手の立場に立って考える」などの行動のことを言います。この中でも返事はすぐに実践でき、簡単に改善できる行動のひとつです。
例えば、返事をするときは話し言葉の区切りに小さい「っ」がつくイメージで返事をするとハキハキとした良い印象を与えることができます。
「はいっ!」「ありがとうっ!」というように、ハキハキ話す人は誰から見ても印象が良く、相手は不思議と「この人はわかってくれているな」と安心するようになります。
そのため、患者さんは安心して治療を受けられたり、スタッフは院長に頼ったりするようになるでしょう。
逆に声が小さく「はいー」と間延びした返事をすると相手は「この人本当にわかってくれているのかな?」と不安になる傾向があるので注意しましょう。
・素直さと謙虚さ
愛嬌のある人は、謙虚な人でもあります。
謙虚な人は、敵を作らず協力してあげたいと思う人や困った時に助けてくれる人が多くいるため、仕事でも良い結果を残しやすいです。
また、素直な人は至らない点があれば反省して、自分を見つめ直し即行動に移す傾向があります。
自分とは違う意見が合ったとしても、その意見が良いと思ったら素直に受け入れ自分の行動を変える力があります。
このように、謙虚で素直な姿勢で仕事や人に向き合える人こそ、着実に相手との信頼関係を築いていくのです。
愛嬌力を高める2つの習慣
ここまでは愛嬌力を高める必要性、仕事や人間関係で成功しやすくなる理由などについて解説してきました。
ここからは、愛嬌力を高める2つの習慣について解説していきます。
・オススメされたら実践し報告する
例えば、患者さんと話していて本を勧められた場合には、読む時間がなくてもとりあえず買いましょう。
次に会うときに「すぐに買いに行きました!」と伝えるだけで相手は、とても嬉しい気持ちになる傾向があります。
さらに「早速やってみました!」と報告すると、その後も有益な情報を教えてくれる可能性が高くなります。
もしアドバイスが自分の役に立たないと思ったときには、一旦素直に受け入れて実践してみましょう。もし自分に合わなかったとしても、その後いくらでも自分に合うやり方に修正できるからです。
一番避けたいのは「院長に何を伝えても無駄だろうな。」と思われること。そうなると、どんな有益な情報を患者さんやスタッフが持っていてもその情報は自分の耳に入らなくなってしまいます。
患者さんやスタッフから何かおすすめされたときは、試して報告することで相手との距離を縮めるきっかけになります。
・褒めるときは人を主語、注意するときは物を注意する
例えば、患者さんを褒める時には「〇さん歯磨き頑張っていますね!この短期間ですごく良くなっていますよ!」と相手の名前を主語にして自分の意見を一言プラスして褒めましょう。
特定して褒めると相手の承認欲求を満たすため、やる気アップに繋がります。
また、スタッフを注意するときは「◯さんの取ったアポイントに間違いがあったので、すぐに患者さんに連絡してください」と言われるよりも「このアポイント表に間違いがあったので、患者さんに連絡してください」と言われる方が気持ちが楽になる傾向があります。
言葉の言い回し1つとっても”対象を人”にするか”モノ”にするかで、言われた方の印象はガラッと変わります。
相手に気持ちよくメッセージを受け取ってもらうように意識して言葉を選ぶのが大切です
まとめ
愛嬌力は、患者さんやスタッフの信頼を得るのに必要なスキルのひとつです。
・笑顔でいる
・礼儀正しくする
・素直で謙虚の姿勢でいる
などを日々の生活で意識をすることで、愛嬌力を高めることができます。
愛嬌力を高めて、スタッフや患者さんと良好な関係性を築いていきましょう。
歯科衛生士 帆保智子