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相手にわかりやすく伝える方法

2023.11.27

患者さんに治療説明をした時に「よくわからない」「難しい」などと言われたことはありませんか?

それは、院長先生の伝えたいことが相手に伝わっていない可能性があります。

例えば、患者さんに自費治療の良さを伝えたつもりでも、伝わっていない場合には「自費治療の良さ」が理解されず保険治療に流れてしまうこともあります。

このように、相手にしっかりと伝わるように話すのは難易度が高いのです。
そこで今回は、相手にわかりやすく伝える方法を紹介します。

この記事を読むことで、話す相手とより良いコミュニケーションがとれる。自費治療を選ぶ確率が高くなるといったメリットがあります。

人は伝わったことで判断する

そもそも「伝わる」と「伝える」は違います。
話し手が伝わると思っていても、相手には伝わっていないことがあります。

聞き手が伝わっていないと感じれば、存在していないのと同じなため、判断できないのです。

聞き手は、しっかりと伝わったと感じた時に物事を判断します。
そのため伝わるのではなく、伝えることを意識して話すことが大切です。

また、人は基本的に話を聞いていない生き物です。
一度で理解してもらおうとはせず、言い方を変えて繰り返し伝えることを意識しましょう。

伝わる伝え方の「4つのポイント」

相手に伝えるには、次の4つのポイントを押さえましょう。

● あえてダメな部分を伝える
● 比較して魅力を伝える
● 言い換えでマイナスをプラスにする
● 間をとり時間を作る

それぞれについて詳しく紹介していきます。


あえてダメな部分を伝える
患者さんに説明する時は治療法や材質の良さを知ってもらうために、良い部分ばかりを伝えてしまいがちです。

しかし、あえてダメな部分を伝えることで患者さんの信頼度が高くなる傾向があります。

例えば、すぐに被せ物がダメになってしまったら歯科医院に不信感を抱いて他院にいくかもしれません。

だからこそ正直に伝えることで、相手は「自分が損をしないように伝えてくれている」と感じて院長を信頼するようになります。

信頼感がある人の言葉はスッと入ってきやすい傾向があり、治療がスムーズに進みやすいでしょう。
比較して魅力を伝える
相手に良さを理解してほしい時には比較の法則を取り入れましょう。
比較の法則とはダメなものを伝えることで、逆に良いものが引き立つ法則のことです。

例えば、患者さんに被せ物の説明をする場合「保険の銀歯は劣化しやすく虫歯が再発しやすいです。〇〇さんは今回奥歯に治療をするので、ゴールドの素材がおすすめです。ゴールドは歯にピッタリと適合するため虫歯になりにくいです。そして、強度もあるので壊れにくいのもおすすめする理由です。」と伝えます。

このように、おすすめしない理由をしっかりと伝えることで、逆におすすめされた物の価値が高まるのです。
言い換えでマイナスをプラスにする
同じ意味の言葉でも、どういう言葉で表現するかによって伝わる価値が大きく変わります。

例えば、外科手術が怖いけれど、入れ歯やブリッジはしたくない患者さんと話をするケースでは次のように伝えましょう。

「確かに外科手術と聞くと怖いイメージがありますよね。インプラントの外科手術は他の歯を傷つけない、歯を守るために行う手術です。」

相手の外科手術が怖いイメージを、歯を守るための手術とポジティブなイメージをさせることで思考を変えるきっかけになります。

思考が変われば行動も必然的に変わってくるので、インプラント治療をする可能性が高まります。
間を取り考える時間を作る
人には一度にたくさんの物事を覚えていられない性質があります。
また、伝わるというのは受け手側の覚える→考える→理解するという一連の流れが必要です。

特に会話は文章とは違って、どんどん先に進んでいくため、流れがスムーズに行かないと伝わっていない状態のまま会話が続いていくことになります。

そうなると、患者さんは理解できない状態になり「わからないから高い物で失敗したくない…被せ物は安い物でいいや。」となる可能性があります。

だからこそ、間が大切なのです。
間には相手が覚える、考える、理解するための時間をつくる役目があります。

逆に、間のないマシンガントークや早口は相手の理解が追いつかず想像する余裕がなくなるため、注意が必要です。

特に、歯科治療の説明は専門性が高く、患者さんが理解するまでにある程度の時間は必須になります。

つまり、相手がしっかりと理解しながら話についてこられているのかを会話の途中で確認しながら、適度に間をとって相手が考える時間を作りましょう。
それだけでも、随分と院長の話が伝わりやすくなります。

まとめ

相手に全てを理解してもらおうと思い説明を始めると、伝わらないことにイライラしてしまい、雑な対応になってしまうことがあります。

「わかってもらうのは難しい」といったことを前提に話すことで、伝わる部分が明確化して、臨機対応に患者さんに説明できるようになります。

今回紹介した4つのテクニックを使いながら、患者さんとのコミュニケーションを高めて、信頼を築いていきましょう。

歯科衛生士 帆保智子

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