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医院のペーパーレス化への取り組み

2023.12.11

「増えたカルテを保管する場所がなくて廊下に棚を置いている」
「開業して順調に患者さんが増えたので受付の棚は1年で埋まってしまった」
などカルテの保管場所で悩んでいる歯科医院は多いです。
増えたカルテを保管するために数か所に分けた結果、日々のカルテ出しの手間が増えている医院も多いでしょう。
今回は、医院のペーパーレス化への取り組みについてお伝えしていきます。

▼増え続けるカルテの保管場所は医院の課題

医院で電子カルテを導入していても、問診票や衛生指導、申し送りのメモなどを紙で行っている医院がほとんどです。
開業からの日数が経てばたつほどカルテの数は増え、経営が順調であればあるほどカルテの保管場所に困るという状況を引き起こします。
開業する際に、ユニット数や導入設備の検討はするのですが、将来増えるカルテの保管場所について余裕を持っている医院は少ないでしょう。
保管期限を過ぎたカルテを処分することでカルテの数を減らすという選択肢もありますが、実際の業務のなかで保管期限を過ぎたカルテを把握し処分するというのは負担が大きいため、多くの歯科医院がすべてのカルテを保管し続けるという自体になっているのが現実です。

▼医院をペーパーレスにするメリット

・カルテの保管場所が必要なくなる
ペーパーレスにすることでカルテの保管場所が必要なくなります。
受付の後ろの棚は、事務用品の予備や物販の在庫にあてられますし、場合によっては控室や医院の廊下にまでおかれていたカルテの棚も必要なくなります。
基本的に開業してからは物が増えることはあっても減ることは少ないため、ペーパーレスの恩恵は大きいでしょう。
・事務作業が減る
事務作業が減るのも大きなメリットです。
毎日のカルテ出しが不要になるのはもちろん、電話で予約を受ける際にも、受付のパソコンでカルテ番号を検索し、患者さんの情報をすぐに見ることもできます。
事務作業が減ることでスタッフの負担も減り、結果、退職するスタッフが減り人件費の節約につながります。
・紙、インクなどの消耗品代が節約できる
カルテを印刷するのに使っていたプリンターのインク代や紙、ファイルなどの消耗品代が節約できるのもポイントです。
一つ一つは大きな金額ではないのですが、合計すると毎月数万円かかります。
それらを節約できるのは、経営に対して良い影響を及ぼします。

▼各種メーカーを試して比べてみましょう

ペーパーレス化をするにあたって各種メーカーを試して比べてみましょう。
電子カルテで使っているメーカーで機能拡張できないか聞いてみても良いですし、画像管理やアポイント管理と同じメーカーでも良いかもしれません。
このとき、一番大切なのは、毎日の診療で無理なく使用できるかどうか、です。
最近ですと、紙のようにタブレットに直接書き込むものもあります。
各種メーカーを試して、スタッフに使ってもらいメーカーを決めましょう。

▼導入は早ければ早いほどよい

ペーパーレス化への取り組みは早ければ早いほど良いでしょう。
今あるカルテをスキャンする作業や、スタッフに慣れてもらう作業は早ければ早いほどスムーズに進みます。
特にカルテをスキャンして取り込む作業は、時間と労力を必要とするので、ちょっとずつすすめるのではなく担当者を決めて短期間で済ましてしまうのが理想的です。
医院内のスタッフで対応するのが難しいのであれば、短期間のアルバイトを雇って行うのも良いでしょう。

▼まとめ

医院のペーパーレス化への取り組みについてお伝えしてきました。
今後、電子カルテは当然として、ペーパーレス化も進んでいくことは避けては通れません。
ペーパーレス化は、導入が面倒、スタッフからの反発が予想される、という理由で避けている医院もありますが、メリットは多くありますので、一度検討をしてみることをおすすめします。

歯科医師 K.A.

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