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SNSのクレーム対応

2024.07.29

現代はスマートフォンの普及から、多くの世代がSNSを活用しています。そのため、集客目的で歯科医院専用のSNSを立ち上げて利用しているところも多いのではないでしょうか?

SNSは集客が見込める一方で、批判的なコメントのクレームがあることもあり、クレームに間違った対応をすると炎上する可能性が高いです。

つまり、多くの人に批判されてしまう状態になります。炎上するトラブルは避けたいものですが、SNSでクレームが発生した時の対応を知らずにSNSを始めた院長先生もいると思います。

そこで今回は、SNSのクレーム対応について解説します。SNSを運営している歯科医院は是非、この記事を参考にしてください。

SNSのクレーム対応に必要な「3つのこと」

・スルー力を身につける
・投稿を消さない
・全てをSNSで解決しようとしない

それぞれについて詳しく解説します。

スルー力を身につける

批判的なコメントや口コミ投稿が書き込まれた場合、必ず最初に考えて欲しいのは「このコメントはスルーするべきか、対応するべきか」の判断です。
SNSでのコミュニケーションはテキストがメイン。コメントは全て文字として表示されて、書き込んだユーザーはどんな人物なのかわからないことがほとんどです。

Facebookといった実名登録が義務づけられているSNSの場合は、相手の職業や人となりが一定のレベルまで理解しやすい傾向があります。
一方、XやInstagramなどの実名登録が義務付けられていないSNSの場合は、書き込んだ相手がどんな人物なのかが不明瞭なことも珍しくありません。

この点が現実に対峙している相手に対する場合とは異なり、SNSなどのオンラインで対応する場合、意識しなければいけないポイントになります。

なお、下記のようなケースはスルーする対象になります。

● 内容が無実無根であり、書き込んだアカウントの影響力もさほど大きくないと判断できる
● 医院側に全く非がないにも関わらず、一方的な思い込みで批判的な内容を書き込んでいる

もちろん歯科医院に非があり、患者さんや関係者に不愉快な思いをさせた事実があるのであれば相手が実名か匿名にかかわらず適切に対応することが必要です。
しかし、基本的には上記に類似する場合、スルーしても問題ないケースがほとんどです。

例えば「良い口コミが多すぎる。ステマじゃないのか?」「診療時間が短すぎる!」といった内容もスルーする対象になります。もし、書き込みがエスカレートしたり誤った情報が異常に拡散されるようなことがあれば適切に対処しましょう。

批判的なコメントがあっても慌てずに運用担当者や責任者感で情報を共有しながら「この程度ならスルーしても大丈夫なのでは?」と状況を冷静に判断することが大切です。

投稿を消さない

SNSを運用していると悪気はなかったものの一部のユーザーに不快感を与えてしまい、投稿内容に関する反論やクレームがコメント欄に書き込まれることがあります。
その時にすぐ投稿を削除して、さらなるクレームが書き込まれたり投稿が拡散されたりしないように対処したくなりますが、いきなりの削除は最大の悪手です。

一部の悪意のあるユーザーはスクリーンショット機能を使い投稿を保存していることがあり、企業が該当の投稿を削除した後に投稿を保存していたユーザーは「先ほど〇〇が削除していた投稿はこちらです。」と保存していたスクリーンショットを各SNSに投稿します。
自院アカウントではない、悪意のある第三者が削除済みの投稿を公開することの効果は絶大です。

なぜなら、歯科医院が発言を隠蔽しようとしたという印象を他のユーザーに与えることができるからです。また、第三者が発信したスクリーンショット付きの投稿は医院側には全くコントロールできない状態となります。
歯科医院が隠蔽したというレッテルを貼られた情報が拡散され続けているのを見ていることしかできません。

そのため、問題のある投稿はすぐに削除するのではなく、それ以外の方法で対応しましょう。速やかに謝罪する、追加で情報不足であったことを説明する、騒がせていること自体には謝罪をしながら騒ぎのきっかけとなった最初のコメントは明らかに事実誤認していることを伝えるなど、適切な対応を心がけてください。

最終的に投稿を削除するにしても状況に適した対応をした後に「該当の投稿はのちほど削除いたします」と告知してから削除するようにしましょう。この流れを踏まえることで隠蔽の意思がないことをユーザーに伝えられます。

全てをSNSで解決しようとしない

SNSで発生したトラブルをオンラインで全て解決しようとする人がいます。もちろんコメントのやり取りなどで解決できる場合もある一方で、オンライン以外の解決策が正しい選択肢であるケースもあります。

例えば、「予約時間を過ぎても治療してもらえず、スタッフが暇そうに談笑していた。」
といった口コミに対しては、
患者さんの目のつくところでの会話は最小限にする、待ち時間が発生することを声掛けする、といった現実世界での対応が効果的でしょう。


発信した投稿にクレームが書き込まれた時や、エゴサーチによって歯科医院に対する不満について記載された投稿を発見したときなどには、SNS上の振る舞いに原因があるのか、ネットの外であるリアルな世界に問題があるのか、見極めて対処することが大切です。

まとめ

SNSでクレームが発生した時には、次のことを意識してみましょう。

・スルーできるものか
・投稿を消さない
・全てをSNSで解決しようとしない

SNSは便利なものですが、対処を間違えると大きなトラブルにまで発展する可能性があります。事前にSNSのルールを決めておくと、クレームのコメントがあった時にも対応しやすいでしょう。

歯科衛生士 帆保智子

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