院長はクリニックのリーダーで、やるべきことが多くあります。とはいえ、あれもこれもと自分でやりすぎて全てが中途半端になっていませんか?
開業してから数年経った今こそ、改めて自分のリーダーとしての行動を振り返り改善することで、チーム力の高い歯科医院になります。そこで今回は、自分にリーダーシップが身についているかを再度チェックしていきましょう。
リーダーシップに必要な「4つの要素」
医院を引っ張るリーダーとして、必要な要素は次の4つです。
● 率先して手を挙げる
● 小さな失敗をいくつも体験する
● 人と会い情報を得る
● 時間を無駄にしない姿勢をスタッフに見せる
それぞれの理由について詳しく解説します。
率先して手を挙げる
いろいろな場面で自ら手を挙げることがリーダーへの近道になります。たとえば、歯科医院でのミーティングでは率先して手を挙げて意見を言う。
また、プライベートでは同窓会の幹事に手を挙げるなど、さまざまな環境でリーダーとしての経験を積むことでリーダーシップが磨かれます。とはいえ、リーダー役に手を挙げることに抵抗がある人は講演を聞きに行った時にある質問タイムで、必ず手を挙げて質問するようにするのがおすすめです。
その時には「レベルの高い質問をしないと…」と考える必要はありません。あなたが質問をすることで、他に質問したい人が手をあげやすくなればいいのです。
講演会場という場所であなたがリーダーシップを発揮した結果、他のメンバーの手助けができたとしたら素晴らしいことです。誰も手を挙げない時にこそ、自分が最初に手を挙げることを自分の課題にするのはリーダーシップを磨くうえで大切だと考えます。
小さな失敗をいくつも体験する
日々の仕事の中で、失敗することも勿論あります。よく「失敗したくない!」と考えている方も多いですが、全てを完璧にすることは不可能です。
また失敗の経験が少ないと失敗した時に、打たれ弱くなる傾向があります。リーダーには少し落ち込んでも、失敗しても「それがなんだ!」と言える強さが必要かもしれません。
そのために、小さな失敗を重ねておきましょう。たとえば、手を挙げて自分の意見を言おうとしたがまとまらず、途中で司会者に発言を遮られてしまったとします。
失敗を失敗のままにせず自分が意見をまとめる力が弱いことがわかれば、その弱点をどう克服すればいいのかを考えて訓練すれば、意見を簡素にまとめて発言することができるはずです。このように日々の中でさまざまな反省材料を見つけて、ひとつひとつできるようにしましょう。
手を挙げれば成功体験も失敗体験も増えて、そうした実体験が少しの失敗では折れないリーダーシップの芯になっていくでしょう。
人と会い情報を得る
同窓会の幹事をやる時には、一緒に取り組む人が必ず出てきます。こういった別の環境で出会った人たちと一緒に取り組むことも、リーダーシップを磨くのに重要です。
デンタルショーや講習会などに参加すると、今までに話したことがない人たちと知り合いになれます。医院内や医院外にしても、意外な人から貴重な情報が得られるケースも少なくありません。
インターネットの情報よりも顔の見える人からの情報が貴重です。さまざまな集まりに参加することは人生のかけがえのない人脈になり、情報網にもなり得るのです。
時間を無駄にしない姿勢をスタッフに見せる
リーダーだけでなく、スタッフの1日は24時間です。しかし、仕事の量も質もリーダーのほうが多く求められるため、時間の使い方は工夫が必須です。
たとえば、患者さんがいない時間には治療計画の内容をスタッフに共有する、歯科衛生士が担当している患者さんについて質問をするなど、リーダー自ら時間の使い方をスタッフに見せることも重要になります。
リーダーは人脈や情報網を広げたところから、情報を得るとともに新聞や雑誌や本、インターネットなどからも最新の情報を得るためにも、時間の使い方は大切。リーダーであるあなたが、どんな時間の使い方をするかでスタッフの時間が決まると言っても過言ではありません。リーダーとして1分の時間も無駄にしない姿勢を、心がけスタッフに見せるようにしましょう。
まとめ
日本人は、リーダーシップを発揮するのが苦手だと言われています。それは最初に手を挙げることを「恥ずかしい」「気後れしてしまう」と躊躇している人が多いためです。
しかしこの受け身の姿勢では、他者とうまくコミュニケーションがとれず、何も決められないチームになりやすいです。リーダーシップに自信がない人ほど率先して手を挙げることを実践し、失敗してください。必ずリーダーとして大事な決断をする力にも繋がります。
歯科衛生士 帆保智子