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歯科医院における人手不足への対応

2025.02.10

高齢化が進む日本において、今後すべての業界で人手不足は深刻化することが確実視されています。
機械化やAIによって省人化したりすることができる業種に比べて医療業界は直接人が接する必要がある業務が多いですし、外国人労働者に頼るのが難しい業種でもあるので人手不足の影響は多いでしょう。
今回は、今後確実に訪れる人手不足に対して歯科医院がどのように備えて、対応するかについてお伝えしていきます。

▼今後人手不足は深刻化する

歯科業界において、歯科医師や歯科衛生士などの有資格者の求人は難しい、というのは以前から問題としてありましたが、今後は受付や歯科助手など有資格者以外の求人も厳しくなることが予想されます。
有資格者は地域を越えて働くことが珍しくないですが、受付や歯科助手などは地域内で働く人が多いため、地域内での取り合いが起きるため求人が難しくなるというのが理由です。
首都圏や大都市であればまだ求人への応募はありますが、そうでない地域に関しては厳しいでしょう。
求人を出しても応募者すら来ない、という未来は遠くないと思われます。
すでに歯科助手が足りず歯科衛生士が歯科助手の仕事を受け持ち、検診など売上に係る業務ができていないという問題を抱える医院も存在します。

▼スタッフの労働環境を改善が最優先

まずは現在働いてくれているスタッフの労働環境を改善し、なるべく長く働いてもらうようにしましょう。
給与面はもちろん、子育てや介護があっても働き続けられる、または戻って来ることができるように環境を整えましょう。場合によっては、診療時間の短縮や休診日を増やすなども必要になるかもしれません。
労働環境を整えて離職を防ぎ、その上で求人へコストを掛けるようにするのが良いでしょう。

▼業務内容を効率化

少ない人数で同じ診療のクオリティを出すためには、業務内容の効率化が必要です。
会計や予約、アポイント管理などで自動化できる部分は自動化しましょう。導入コストは必要ですが、人を雇うよりは安く済むので必要経費と割り切りましょう。
自動化が難しい部分に関しては、必要最低限の作業以外は切り捨て、マニュアル化し、慣れている人ではなく誰でもできるようにするのが理想的です。
歯科医師、歯科衛生士といった専門性の高い職種に関しては、売上を意識して不要な部分をカットして効率化を図りましょう。

▼ミニマムな経営にシフトしていく

長期間で見たときになるべくミニマムな経営にシフトしていくことも人手不足への対応になります。
ユニットを増設したり、分院展開を行い拡大したりしていくと常に多くの人を雇い続ける必要があり、人手不足に対して不利に働きます。
10年20年と同じ場所で安定した経営を行うには、少ない人員で診療を続けていく方が、難易度が低くなります。
年商ではなく、利益がどのくらい残るのかを意識して、可能な限り少ないスタッフや設備で経営を行いましょう。
その際には歯科医師だから診療しか行わない、と考えるのではなく、滅菌や受付など他の業務もカバーすることが理想的です。

▼まとめ

歯科医院における人手不足への対応についてお伝えしてきました。
ほとんどの歯科医院は人手不足への対応が必要です。
その時になってから焦るのではなく、事前に業務内容をブラッシュアップし、労働環境も整えるなどの対応をしておくと良いでしょう。

歯科医師K.A.

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