現代はネット予約を利用している歯科医院も多いですが、電話を廃止しているところは少なく電話対応は必須です。しかし、現在は従来と比べて文字でのやりとりが多く、電話対応を苦手と感じているスタッフも少なくありません。
電話対応は気づかないうちに相手を不快な気持ちにさせることもあり、医院の評判にも影響を与えます。そこで今回は、見えない相手に好印象を与える方法について紹介します。
電話に出る際の対応
歯科医院で働いていると、電話に出る機会が多いと思います。まずは、電話に出る際のポイントを押さえておきましょう。
明るくハッキリとした声で名乗ると好印象
電話に出る時は、普段話す声よりワントーン高い声でハッキリと医院名と自分の名前を名乗りましょう。電話口でボソボソと話してしまうと暗く感じたり、聞き取りにくかったり
相手をイライラさせてしまうことに繋がります。
予約日と時間の再確認
診療の日にちと時間帯が決まった後は、最後にもう一度復唱しましょう。復唱することで、内容が相手に伝わっているか確認し、トラブルを防ぎます。
電話を切るのは相手が切ってから
相手が電話を切ってから、こちら側が電話を切るのが基本です。しかし、相手が電話を切るタイミングがわからないケースもあり、沈黙が流れる時は「お電話ありがとうございました。失礼いたします。」と伝えることで、相手に電話を切るのを促すといいでしょう。
電話をかける時の対応
自分の所属や立場を明らかにする
電話をかける時はまず、最初に医院名と名前を必ず伝えましょう。これらを伝え忘れると、相手を困らせたり不審に思われたりするためです。
名指しの人が不在の場合、どうして欲しいのかを伝える
名指し人が不在の場合は、再度かけ直すことや電話があったことを伝えてもらうよう電話に出た人にお願いすると良いでしょう。なお、対応後にお礼を伝えると好印象と受けとりやすい傾向です。
10コール以上は鳴らさない
呼び出し音を10コール以上鳴らしても誰も出ない時は、一旦切ってもOKです。他のことに対応中かもしれない可能性があります。鳴らしすぎは相手を不快にさせるため、注意しましょう。
電話対応でしてはいけないこと
電話応対では、次のことに注意しましょう。
保留のまま長時間またせる
30秒以上の保留は、相手を不安にさせる上に不信感を強めます。保留の時間は、30秒以内で済ませて下さい。
もしそれ以上待たせそうであれば、折り返しの電話を相手に提案し、待たせないようにしましょう。また、折り返しの提案の了承を得た際には本日中に連絡をするのか、別日になる場合には連絡をしていい時間帯などを確認しておきましょう。
同じフレーズの連呼
たとえば、こちらのミスで謝る際に「すみません」といったフレーズを繰り返し使うと、相手は「軽く扱われている」「何も解決しようとしていない」と感じてさらに怒ってしまう恐れがあります。
そのため「はい、はい」と続けて同じ言葉を使うのではなく「はい、そうです」「すみません」「申しわけございません」というようにフレーズを変えることをおすすめします。
相手を疑う
電話相手の言葉を疑うのは、医院の信頼を失う可能性があります。たとえば「その話は本当ですか?」のような言い回しはNGです。対面では相手の表情や関係性によって、冗談っぽく「本当ですか?」と返しても問題はありません。
しかし電話では、相手の表情がわからないため「その話しは本当ですか?」と言葉が冷たく聞こえてしまい、不快に感じる傾向です。また、疑いの言葉はクレーム電話の場合は相手の怒りを助長する言葉になるため、納得できないことでも一旦「さようでございますか」と返すのが得策です。
まとめ
電話対応は声のトーンやハッキリとした口調でメリハリを付けることで、好印象を与えられます。顔が見えないからこそ、丁寧に対応することで大きなトラブルを防ぐことにも繋がります。一度、スタッフの電話対応を見直してみると良いでしょう。
歯科衛生士 帆保智子