新人や働き出して数年のスタッフは、やる気がありモチベーションが高い傾向です。しかし、新人スタッフのことばかりに意識がいき、長年働いているスタッフのことが後回しになっていませんか?
近年では、長年働いているスタッフのやる気の低下に気づけず、突然退職をしてしまった…ということも少なくありません。長年働いている人ほど、仕事へのモチベーションを維持することは難しくなります。
そこで今回は、モチベーションを維持する秘訣について解説します。
健全なナルシストになって新たに挑戦する
キャリアを積むにつれ、仕事のほとんどがルーチン化され、新たな刺激が得られなくなります。また達成感も少なくなり、自己効力感を覚えることも減り、やる気が失われる傾向です。
そこで必要となるのが、自分で自分のやる気を上げるノウハウ。キーワードはナルシストになることです。
ナルシストには悪いイメージもありますが、大事なのは健全なナルシストになること。過剰なナルシストが自信だけで突っ走るのに対して、健全なナルシストは自分を正しく認識したうえで「これでOK!」と自信をもってサインをだせます。
つまり、ベテランならではの知見に基づいて、自分をきちんと判断し「大丈夫!」というお墨付きを自分自身に与えるのです。確証がなくても仕事を進めるには、ある種の「うぬぼれ」も不可欠です。あえて健全なナルシストになれば、さらに高みに上るためのやる気が生まれやすいです。
等身大の自分をうけとめ、夢にむかって前向きに挑戦する。できたことはできたと感じることができ、自己肯定感をもって仕事を頑張れるでしょう。
普段、会わない人や場所に参加する
日々スタッフにハッパをかける立場にある人でも、自分自身のやる気の低下に悩んでいることはあります。やる気が出ない理由は「給料が低い」「寝不足」など、さまざまですが、「おっくう」と考えている人が多い傾向です。
つまり、人の心にある「おっくう」を打破できれば、やる気はすぐにでるはずです。おっくうを感じるのは、退屈である証拠。
新しいことに挑戦するワクワク感不足が、原因になっているケースがほとんどです。たとえば、社外研修のように普段とは異なる人と接したり、本業以外の習い事に熱中したりすると、心のおっくうがなくなり、やる気が湧き出るでしょう。
自分で自分を褒める
人は褒められることで、やる気を奮い立たせる傾向があります。しかし、年を重ねるにつれて褒められる機会が減り、やる気が下がってしまいます。
そこで有効なのが、日記の活用です。毎日のできごとだけでなく、できたことを書いて自分で自分を褒めます。
自分の行動を毎日きちんと確認し、良かったことや成長したことを書くことで、自己肯定感を得られます。さらに、日記には将来達成したいことや目標と、そこにたどり着くまでのステップなどを段階的に書いておくのがおすすめです。
大きな夢にたどり着くまでの計画表となり、毎日の記録はそのためのエールとなって、自分自身を励まし続けてくれます。
人間関係を変える
やる気が出ない原因のひとつに、人間関係があります。たとえば、歯科医院や患者さんで苦手な人がいる場合は、モチベーションが低くなりがちです。
自分が苦手と思うときは相手もそう感じていることが多く、お互い避けているとどんどんおっくうな気分が増していきます。状況を改善するためには、勇気を出して人間関係を変える努力が不可欠です。
「おはよう。」と自分から挨拶をするだけでも、関係がスムーズになることも少なくありません。また、相手のいいところを引き出す姿勢も重要です。
長所を褒めるのはもちろん、得意分野について質問するのは関係性を良好にするのにとても効果的です。人は誰でも人に教えを請われると、ちょっとした優越感を覚えて、教えてあげたくなる心理があるためです。
まとめ
長年働いているスタッフのモチベーションを継続させるのは難しいですが、工夫次第で再びやる気をアップすることはできます。特に、人間関係の問題では、苦手な相手の行動や考えを変えさせることはできません。
関係性を少しでも改善し、良い仕事環境を作りたい場合は、自分が変わる必要があります。そうすることで、苦手な人とも上手に付き合えるようになるでしょう。
学びに終わりは、ありません。新しいことに挑戦しながら知識や技術のレベルアップをし、やる気を継続させましょう。
歯科衛生士 帆保智子