選ばれる歯科医院になるためには、効果的な経営戦略が必要です。この記事では、既存患者定着と新規患者の獲得のための戦略を解説します。
既存患者定着とリピート率向上のための戦略
既存患者を定着させリピート率を向上させるためには、以下のような点がポイントになります。
質の高い診療と丁寧でわかりやすい説明
既存患者のリピートを促す最大の要因は、「歯科医院に対する信頼」です。そのためには、治療方針の提示や選択肢を丁寧にわかりやすく患者に説明することで、患者の安心感が向上し、歯科医院に対する信頼度が高まります。よりわかりやすい説明するために、視覚資料を活用するなども効果的です。一方的な診療や説明にならないよう心掛け、日々の診療に取り込むことが大切です。
患者満足度を高める接遇やサービスの提供
患者の満足度を高めリピート率を向上させるには、診療外の接遇やサービスも重要な要素です。待ち時間の短縮やスタッフの笑顔や丁寧な言葉遣い、清潔感のある院内環境などの接遇が満足度の向上につながります。
診療後のフォローアップの強化
診療後に電話やメールなどで様子を訊ねるだけで、患者の歯科医院に対する信頼感が高まります。また、簡単なアンケートに協力してもらい、歯科医院や診療などについての要望を聞くと、「患者のために日々改善を心掛けている歯科医院なんだ」と思われ、信頼感向上につながります。
定期検診やメンテナンスの促進のための工夫
定期検診やメンテナンスの必要性を丁寧に説明し、検診時期が近付いてきたらメールやDMなどでお知らせしたりするなど、リピート率を向上させる工夫が重要です。患者の中には、多忙のため定期検診を忘れてしまう方もいます。定期検診やメンテナンスの必要性を理解していても、時期を1度飛ばしてしまうと気まずさや後ろめたさから、歯科医院から足が遠のいてしまうケースが少なくありません。そのため、患者が忘れずに来院してもらうような仕組みを構築しておくこと必要があります。
新規患者獲得のためのマーケティング戦略
新規患者獲得には、まず歯科医院の存在を知ってもらわなくてはいけません。そのためには、地域の特性や住民のニーズに合ったマーケティングが必要です。
地域密着型の広告の活用
歯科医院の周辺の住民に知ってもらうために、ポスティングチラシ、駅や道路沿いの看板、地元のフリーペーパーや新聞折込チラシなどの活用は、インタネットを利用しない方に有効です。これらの広告を目にした方の心に残るように、地域性を考慮したメッセージを掲載することが集患につながります。
ウェブサイトやGoogleマイビジネスの最適化
現在、歯科医院を探すとき多くの方がスマートフォンやパソコンを使います。そのため、検索上位に表示されるようにSEO対策、ホームページが見やすいようにスマートフォン対応、歯科医院の情報がわかりやすく掲載してあることなどが大切です。さらに、Googleマイビジネスに院内の写真や口コミが多く掲載されていると、歯科医院の信頼感が高まり集患につながります。
SNSを活用した情報発信
InstagramやFacebookに歯科医院の雰囲気やスタッフ紹介をすることで、歯科医院を知ってもらうことができます。また、サービス内容や専門分野の紹介、動画コンテンツの投稿なども歯科医院を知ってもらうには効果的です。
口コミ・紹介キャンペーンの導入
紹介制度を導入することで、自然と患者から患者へつながるため集患に効果的です。ネット上の口コミよりも知っている人からの口コミは、信頼性が高く新規患者獲得において強力なツールとなります。
オンラインとオフラインの連携による集患戦略
オンラインとオフラインを上手く組み合わせることが、多くの患者さんに選ばれるポイントになります。
オンライン予約システムの導入
予約を電話だけでしか受け付けていないと、時間が限定されてしまいます。機会損失を防ぐためにも、365日24時間いつでも予約ができるオンライン予約システムを導入することが重要です。パソコンからだけでなくスマートフォンからも予約しやすいような予約フォームを作成し、スムーズに予約できるような設計を心掛けましょう。
患者レビューの活用
新たな歯科医院に通院するのは誰でも不安です。少しでも不安を解消するため多くの方は、口コミを参考にしています。そのため、良い口コミは積極的にシェアし、悪い口コミは内容を真摯に受け止め問題の改善に取り組む姿勢は、多くの患者から信頼される歯科医院になるために大切です。
地域イベントや健康フェアなどへの参加
多くの地域住民が参加するような地域イベントや健康フェアなどへの参加は、歯科医院の存在を身近に感じてもらうために大切です。小児歯科に力を入れている歯科医院なら子育てフェアや地域の子ども向け祭り、予防歯科に力を入れている歯科医院ならスポーツイベントやウォーキング大会など、歯科医院の専門性に合わせたイベントへの参加はより効果的です。
他の歯科医院との差別化と独自のブランド構築
多くの歯科医院から選んでもらうためには、他の歯科医院とは違う強みや独自の魅力を構築することが大切です。
専門分野の確立とアピール
矯正・審美・インプラント・小児歯科など、歯科医院の得意分野を確立させると、特定のニーズを持つ患者から選ばれやすくなります。専門分野を確立させたあとは、ホームページやGoogleビジネスプロフィール、SNSなどで情報発信し、専門分野をアピールすることが大切です。
独自のサービス提供
無料カウンセリングやキャンペーン、紹介制度など、患者にとって魅力的な独自のサービスを提供することで、他の歯科医院と差別化が図れて選ばれる歯科医院につながります。
快適な院内環境
院内環境は、歯科医院を選択する上で非常に重要な要素のひとつです。多くの方は、清潔感がなく旧設備しかない歯科医院よりも、綺麗で新しい設備が導入されている歯科医院の方を選びます。そのため、清潔感と快適さを備えた内装、温かい雰囲気の証明やBGMなど院内環境を整備することが、集患とリピート率向上につながります。
まとめ
本記事は、選ばれる歯科医院になるための集患・増患戦略ガイドとして取り組みたいことを幅広く紹介いたしました。
次回より各論に対してより深くお話ししていきたいと思います。
医療ライターY.A