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ミスを大幅に減らす!チェックリスト活用法

2025.09.29

誰だって仕事でミスはするものです。しかし、歯科医療は患者さんに触れる行為のためミスは最大限防ぎたいですよね。

そこで今回は、ミスを大幅に減らすチェックリストについて紹介します。

人が起こすミスとは?

人が起こすミスには、大きく分けて2種類があります。ひとつは無知のエラーといって、経験不足や情報不足が原因で起こってしまうミスのことです。

ふたつ目は無能エラー。無能のエラーとは、やるべきことがわかっているのに起きたミスのことです。たとえば、消毒が必要だと知っていたのにうっかり忘れてしまったというケースは無能エラーになります。

現代は仕事内容が複雑になっているため、人間特有のうっかりミスが医療現場で問題になっている傾向があります。また、言われなくてもわかっている当たり前のことでも、疲れていたり、ぼーっとしていると人はミスをします。

だから、どんな人であってもやるべき手順が書かれたチェックリストを用意し、それを見ながら実行してもらうことでミスを大幅に減らすことができるのです。

良いチェックリストの条件

チェックリストは、単に手順を書けばいいものではありません。良いチェックには次の4つの要素が組み込まれています。

● 簡潔
● 具体的
● 実用的
● 人を巻き込んでいる

それぞれについて詳しく解説します

■簡潔
チェックリストは、相手の視点に立ってシンプルにまとめることが大事です。特にチェックリストは、取扱説明書やマニュアルみたいに全ての情報が書かれているものと違って「次にすることの手順」がしっかりと書かれていることが重要。
つまり、ポイントだけをパッと見てわかるようにするように、文章を簡潔にすることを意識しましょう。


■具体的
たとえば、洗うといった曖昧な表現だと、人によっては解釈が変わり何をすべきかわからないことがあります。そのためチェックリストには、ゴム手袋を付けてスポンジで洗うというように、誰が読んでも同じ行動が取れる具体的な言葉で書かれている必要があります。


■実用的
実際の現場で使えないチェックリストほど、スタッフの負担になります。そのため、作成したチェックリストが、現場で本当に使えるようになっているのかを確認しましょう。
実用的ではないチェックリストは、院長が張り切って作成したけど、必要のない作業が増えて迷惑…など現場で実際に行うスタッフにとって重荷になる可能性が高いです。そのため、チェックリストはスタッフと相談しながら作成するのがおすすめ。
実際にチェックリストを見て行動する側の人のほうが、何が大事でどういうところでミスが起こるのかを良く知っている傾向です。理想ではなく、現場で本当に機能するチェックリストを作ることが重要になります。


■人を巻き込んでいる
「この通りにやってください。」とスタッフにチェックリストを渡しても、基準を満たしていないまま業務を終える、誰も見ていないところでサボるといった人も少なくありません。
そのため、チェックリストの中にお互いに声を掛け合って確認するなどの、他人を巻き込んだ項目を入れておくのがおすすめです。
たとえば、インプラントのオペ前には患者の名前と手術の内容を声に出して確認する、アシスタントに機材が揃っているのか一緒に確認するといったことで、責任感やチームの一体感が出て仕事が円滑に進む傾向です。

まとめ

歯科医療のミスを防ぐために、チェックリストを使用している歯科医院も少なくありません。しかし、業務に慣れてくるとチェックをしないまま作業を行ってしまい、ミスが起きるといった事例も少なくありません。

まずは、スタッフと一緒に現在のチェックリストの見直しをしましょう。本当に必要な手順なのか、チェックリストの項目に不備がないかなどを意見交換しながら、ミスが少なく患者さんが安心して通院できる歯科医院をつくっていきましょう。

歯科衛生士 帆保智子

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