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初診患者さんとの会話術

2025.12.29

初対面の患者さんと話すことに、苦手意識を持っている院長も少なくありません。特に初診の患者さんは、情報収集もかねて話す場面が多くありますが「相手の本音を引き出せない…」と悩んでいる方も多いと思います。

そこで今回は、初診の患者さんとの会話術について解説します。

共通の話題で距離を縮める

患者さんのことをもっと知りたい時に「趣味はありますか?」と聞いていませんか?この質問も悪くありませんが、患者さんによっては返答に困る方もいて、話が広がらないことも少なくありません。

そんな時におすすめの話題が「食べ物」と「ペット」の2つです。たとえば、食べることは人間の3大欲求の1つであり、人間に共通する生活習慣です。「最近、私はマーラータンにハマっているんですが、〇〇さんは最近ハマっている食べ物はありますか?」などと質問することで、話が広がりやすい傾向です。

また、現代の日本では約3世帯に1世帯がペットを飼っていると言われているほど、何かしらの動物を飼っている傾向です。もし、院長自身がペットを飼っている場合は「最近、我が家の犬が…」と話を切り出してもいいでしょう。

患者さんがペットを飼っていたり動物好きだったりする場合は、ペットの話題で盛り上がると、一気に親近感が生まれます。このように、患者さんとの共通点を見つけることで一気に心の距離が縮まるでしょう。

好かれる前に、嫌われないことを意識する

コミュニケーションにおいて、重要なことは好かれる前に、まず嫌われないことです。人の感情には、快と不快の2つがあり、特に初診の方は「この人感じがいいな」「この人とは仲良くなりたいな」または、「この人なんか嫌だな」「これ以上、話したくないな」のどちらかで、第1印象が決まります。

相手が嫌な印象を持ってしまうと、良い印象に戻すのに相当な努力が必要です。そのため、患者さんと接するときは嫌われない話しかたを意識しましょう。

たとえば、患者さんが「私は歯磨きが面倒で、毎日していません」と言った際に「それはダメですね」とすぐに言ってしまうのは嫌われる人の典型です。正直に伝えただけと思っていても実際には相手の気持ちを考えない、余計なひと言になるのです。

仮にダメだと思ったとしても「歯磨きが嫌いなんですか?」「歯磨きのどういったところが面倒と感じますか?」などと、質問に変えて相手を知るきっかけにできます。また「歯磨きが面倒と感じるんですね」と認識するだけでもいいのです。

相手のことを否定する話しかたは、好かれる前に嫌われてしまう可能性が高いため、注意してください。

患者さんがどうなりたいかを質問する

この質問は、患者さんの欲のデータを知ることが目的です。患者さんの望む物や興味、関心などのデータが取れれば、コミュニケーションが取りやすくなる傾向があります。

また、人は自分が興味を持っている話をする時に心を開く性質があり、心の距離を一気に縮めやすいです。

たとえば、歯を失った患者さんに「将来はどう過ごしたいですか?」と質問し、相手が「何でも食べられるようになりたい」「口を隠さずに笑いたい」などの欲がわかると、次のような提案ができます。「被せ物のブリッジやインプラントは、しっかりと噛めて見た目が自然な歯の仕上がりにできるので、〇〇さんにはおすすめです」

このように、患者さんがどうなりたいかを明確化することで、適切な治療法を提案できます。また、同時に「美味しいもの食べ続けたいですよね」「思いっきり笑いたいですよね」などと共感することで、関係性を一層深める傾向があります。

まとめ

歯科医療は、患者さんとのコミュニケーションが大事です。特に初診の患者さんは緊張をしている人も多く、お互いに会話が思ったように進まないと感じやすいです。

そのため、患者さん自身が話しやすい雰囲気を作るのも大切だと考えます。相手のことを否定せず、共通の話題で雑談などを行うことで患者さんがリラックスし、自分の本音を話してくれるでしょう。

歯科衛生士 帆保智子

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