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視覚に訴える治療説明で患者満足度を上げる

2022.02.14

患者さんに治療説明をするときに口頭だけで説明していませんか?
治療説明を口頭でしたにも関わらず、クラウンやブリッジのセットの説明をした時に、患者さんが思っていたのと違う、といった齟齬が生じることがあります。
そんなことがあれば、その患者さんは不信感を抱き、その後定期的に通院してくれないかもしれません。
そこで今回は患者満足度が向上する、視覚に訴える治療説明についてご紹介していきます。

1.文章での説明は伝わらない

口頭で治療の説明をしている歯科医院は多いかと思います。口頭での説明の場合、
患者さんが歯科医師や歯科衛生士の話を聞いて、理解するといった行程があります。

しかし、聞き取れないこともあるでしょう。その際、聞き取れなかった点について患者さんがもう一度説明を求めることは稀でしょう。
また専門用語が使用されている説明は、話は聞いてはいるものの、患者さんに内容が伝わらないケースがあります。
具体的には、保険診療で臼歯のブリッジ治療の場合、白い歯をいれてくれるものと患者さんが思い込んでしまう、といったケースがあります。
加えて、治療の説明に関しても、口頭で本に書いてあるような文書で説明しても理解しにくい点が多々あります。
たとえば、抜髄治療を例に挙げてみます。

「抜髄は炎症を起こした歯の神経をとる治療です。神経をとったあとは、消毒が必要です。消毒は状態によって回数がかかります。痛みがなくなった根っこに根管充填という、つめものをしてから、土台を立てます。
土台を削って、型をとって金属の被せものをしたら、一連の治療が終了します。」

このように淡々と説明されると、知っていることでも、理解するのに時間がかかります。

ましてや患者さんにとっては、専門的な知識もないですから、口頭で説明されていても、伝わりにくくないでしょうか。
だからこそ、視覚的にわかりやすい説明が重要になってきます。

2.視覚に訴える説明ツールの作り方

文章での説明ツールも大切ですが、できるだけ実物の写真をあわせて治療説明を行うことが必要でしょう。
説明ツールとして作る場合、最低でも3種類の説明ツールが必要です。保険診療オンリーの歯科医院でも同様です。
それは
●補綴物関連
●抜髄・感染根管治療
●歯周病
です。

まず、補綴物関連であればコンポジットレジン修復、クラウン、前装冠、CADCAM冠、ブリッジ治療の写真付き説明が必要です。

できれば、自分の医院で実際にセットする補綴物の写真がおすすめです。
インターネットから他院の治療事例の写真を使う方もいらっしゃるかもしれませんが、著作権の問題はもちろん、自分の症例とは違うので、患者さんとのイメージに沿わないケースがでてきます。

抜髄や感染根管治療であれば、簡単なイラストと一緒に治療の流れ、どうして治療回数がかかるのか理由を短い文章とともに説明したツールを作成しましょう。
このとき使用するイラストは歯科専用のフリー画像を使ってみてはどうでしょう。

そして、最も重要なのが歯周病です。
歯周病に関しては、
●実際の患者さんの治療前と治療後
●放置したらどうなってしまうのか
この2点は少なくても視覚に訴えます。
歯周病患者さんの許可を得て、ご自身の歯科医院での症例を紹介します。口腔内写真を撮影し、今の患者さん自身の歯肉の状態をみせて、放置するとどうなってしまうのかを写真でみせましょう。それだけで歯周病への治療のモチベーションが違ってきます。

3.実感で自費率向上

図や写真だけで説明するのではなく、実物を使っての説明もおすすめです。
特に自費治療の場合には、補綴物を実際に見て触って質感を実感してもらうことが大切です。

特に保険での前装冠とオールセラミックでは透明感の違いもあるので、画像だけでは伝わらないメリットを患者さんに理解してもらえます。

矯正治療では、マウスピース矯正に力をいれている歯科医院であれば、ブラケットをつけた模型とマウスピース矯正をつけている模型をみてもらうだけでも、患者さんの見え方が違ってきます。

紙で印刷した文章での説明だけでなく、実際に写真やイラストを使って説明することで患者さんはどんな治療をどれくらいの期間をかけて通院するのか、より理解できます。
どんな治療をされるのかわからない状態よりも、具体的にどんな治療をするのか、理解している方が患者さんの満足度は各段にアップします。
ぜひ患者さんの治療満足度を上昇させるためにも、視覚に訴える要素も加えた説明をしてみてはいかがでしょうか。

Dentist N

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