歯科医院経営では、診療の稼働率を高めることやキャンセル率を下げることが重要です。しかし、どれだけ対策しても、患者の都合などでキャンセルを完全になくすことはできません。そのため、キャンセルによって生じた空き枠のリカバリー率を高くすることが、安定した歯科医院経営につながります。
キャンセル枠をそのままにしないためのリカバリー体制を整える
キャンセルが発生した際に、そのまま予約枠を空けておくのではなく、別の患者で埋められるようにしておくことが大切です。そのためには、あらかじめリカバリーの流れを決めておく必要があります。
【キャンセル枠を放置するデメリット】
キャンセルによって予約枠が空けば、その時間は診療に使えないため、ユニットの稼働率が低下します。
また、キャンセルが頻繁に発生すると、スタッフが診療に向き合う緊張感を保ちにくくなり、患者対応の質の低下につながるリスクがあります。
そのため、キャンセル枠を放置することは、その枠の診療機会を失うだけでなくリピート率や新患紹介にも影響する可能性がある問題として考える必要があります。
【キャンセルが発生したときにすぐに対応できる体制を作っておく】
キャンセル発生後の対応は、あらかじめ決めておくことが重要です。特に前日や当日キャンセルのケースでは、スムーズに対応できるかどうかがリカバリー率に大きく影響します。
例えば、キャンセルが発生したら受付スタッフが空き時間と診療内容を確認し、候補となる患者に連絡する流れを決めておけば、院長がその都度判断する必要がありません。患者への連絡方法も電話だけでなく、LINEやメールなどを活用できるようにしておくと、患者が仕事や学業などで電話に出られない場合にも対応しやすくなります。
また、キャンセル枠で診療する患者には、普段の担当者とは異なるスタッフが対応する可能性がある場合、そのことを事前に伝えておくことも大切です。担当者が変わることを知らずに予約した患者が、来院してから初めて知ると、不満につながる可能性があります。
このように誰が対応するのか、どの患者に連絡するのか、どの手段を使うのかをあらかじめ整理しておけば、キャンセルが発生した際にスムーズに対応可能です。
予約済みの患者に前倒しを提案する
次の診療を予約済みで、キャンセルが出たときに連絡して欲しいと希望している患者がいれば、優先的に連絡します。例えば「予約した日時より前に空きが出たら連絡して欲しい」と希望している患者をあらかじめ整理しておけば、キャンセルが発生した際に受付スタッフがすぐ連絡できます。
また、数日後に予約が入っている患者に対して、キャンセル枠への前倒しを提案する方法もあります。
連絡する際は、「〇日の〇時にキャンセルがあったため、もしご都合がよければ予約を早めることもできます」と、患者側に選択肢として案内するのがよいでしょう。
ただし誰にでも連絡すればよいわけではありません。診療内容や来院時期、担当者の予定などを確認し、その時間に対応可能な患者に連絡することが大切です。
メインテナンスなどの患者に案内する
定期検診やメインテナンスの予約時期が近い患者に、キャンセル枠を案内する方法もあります。メインテナンスは治療に比べると診療日に幅を持たせやすく、日時の変更を提案しやすいためです。数日後にメインテナンスの予約が入っている患者に、前倒しできないか確認してみるとよいでしょう。
空いた時間にメインテナンス可能な患者をあらかじめ把握しておけば、スムーズに候補患者を絞り込めます。
キャンセル枠を無駄にしない仕組みを整えましょう
キャンセル率を下げることに加え、発生したキャンセル率をリカバーすることも、歯科医院経営では重要です。キャンセルが発生した際にスムーズに対応できるよう、あらかじめ仕組みを整えておきましょう。