マネジメントがとてもうまくいっている歯科医院でも問題となるスタッフがいることがあります。
人事に関することは多くの場合、院長先生の頭を悩ませます。
辞めてもらったほうがよいかな、と思っても、その人材が歯科衛生士の場合、後任の採用が困難なことから悩んでいる院長先生もいます。
そこで今回は、問題行動を起こすスタッフ(以下問題スタッフと表記)は変わることができるのか、具体的な対応方法についてご紹介していきます。
1.問題スタッフの問題点を挙げる
問題スタッフはどうして問題なのでしょうか?その問題点を挙げてみることから始めることが重要です。
・雑談する
・サボる
・業務内容に手抜きをする
といったことです。ですが、問題点を上げるときに一緒にやってほしいことが、問題のあるスタッフにも良い点はないか?と考えることです。
どうしても問題スタッフに対しては、感情的に評価しがちになり、全てが問題にみえてしまいます。
問題だと思っているスタッフでも、実は褒めるべき良い点があるかと思います。
良い点を見出すことで、どうすれば問題行動を取らなくなるのか、アプローチする方法を探すきっかけになります。
たくさんの問題点を上げるだけではなく、3つでいいので、問題スタッフの良いところを見出してみてください。
2.問題解決のためのアプローチを考え実践する
褒めるべき点を挙げたら、次に問題をどう解決するかのアプローチ方法を考えていきましょう。
問題点を直すよりも、良い点を先に伸ばしてから、問題点を改善させるようにする方が、関係性も良好になります。
雑談が多い問題スタッフの場合、空き時間や空きのスタッフがいるときには、どうしても雑談が増えてしまいがちです。基本的に院内は静かなので、雑談をされてしまうと、声が響いてしまい、歯科医や他のスタッフの集中を妨げてしまい、ストレスが溜まってしまうかもしれません。
もちろん患者さんにも良い印象は与えないでしょう。
たとえば、その問題スタッフがお子さんの対応が上手なスタッフだったとします。
雑談のことを注意するのではなく、別の仕事を与えてみましょう。
子供が喜びそうな折り紙などのプレゼントや、歯科通販などで販売している子供向けグッズなどを調べて企画してもらう仕事をお願いしてみるのも良いでしょう。
他にも、イラストが上手、説明がわかりやすい、パソコンに強い、SNSに強いなどの特長があれば、医院の情報発信に貢献できる仕事はたくさんありそうです。
院内ポスターや物販のPOP作成など非常に助かりますよね。
また、隙間をみてサボってしまうようなスタッフであれば、あえて、難症例のインプラントアシスタントにつかせて、難しいことにチャレンジさせ、達成できたら褒めるといったアプローチをしてみましょう。
達成させることで、スタッフのモチベーションにつながるかもしれません。
問題スタッフを変えるためには、時間をかけて対策するしかありません。すぐに解決は難しいですが、だからこそ、様々なアプローチを考えて問題を解決していきましょう。
3.問題スタッフ以外のスタッフの底上げ
つい問題スタッフばかりに目が行きがちになりますが、スタッフ全員に問題があるわけではありません。
一生懸命働いているスタッフもいて、みんなに一目置かれる素晴らしいスタッフもいます。
そういったスタッフは区別し、スタッフ全員の前で褒めると良いでしょう。
プラスの行動をしたスタッフには評価をし、月間どれだけ頑張ったのかを可視化・数値化すると良いでしょう。
担当制でない歯科医院であれば、どれだけの患者さんに対応したのか、具体的な数字でスタッフを評価し、褒めてあげましょう。
また、プラスの行動を評価表でまとめて、月間MVPといった制度を導入することでスタッフみんなのモチベーションを上げることもできます。
問題スタッフに着目するだけでなく、他のスタッフのレベルを底上げすることで歯科医院全体のレベルが上がります。
プラスの行動をとるスタッフの人数の方が多くなることで、歯科医院全体の雰囲気が変わり、問題スタッフも影響され、問題行動を取りにくくなります。
まとめ
問題スタッフは多くの歯科医院が抱えている大きな問題です。人事に関わるストレスは他のストレスに比べても非常に大きなものです。
さらに問題スタッフを放置してしまうと、スタッフ間のチームワークにも乱れが生じます。
それが患者さんに伝わり、「良い歯医者さん」という評価が得られない結果を招きます。
だからこそ、問題スタッフを放置せず、戦力となるよう取り組みを始めてみてはどうでしょうか。
Dentist N