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リコール率をあげる3つのポイント

2022.08.15

医院経営をしていくうえで、重要とされることはリコール率です。
変動数値である初診や、治療の数ではなく、定期的な来院を見込めるリコールは、安定した医院経営をしていくうえで土台となります。
もちろん患者さん側もむし歯や痛みなどの問題が出る前に発見、処置できますし、定期的に歯科医院で診てもらっているという心理的な安心感もあるのでメリットは大きいと言えます。
今回は、リコール率をあげるポイントを、診療室、受付、来院を促すツールの3つに分けてお伝えしていきます。

▼診療室では患者満足度を重視

リコール率を上げるためには患者さんの満足度を重視することが大切です。来院する患者さんは歯科医院に来る時点でストレスを感じています。その状態では、定期的に歯科医院に通う、という気持ちになるはずはありません。
まずは歯科医院に気軽に通える、通うことで良いことがあるという気持ちになっていただきましょう。
そのために診療室で心がける事をみていきましょう。
『相手の話をしっかりと聞き、主訴を解決する』
痛みや脱離などの問題をもって来院した患者さんに対しては、その問題をしっかりと把握する必要があります。
どうしても忙しい歯科医院ですと、問題を早く確定して治療に入りたい所なのですが、まずは相手の話を詳しく聞きましょう。
真の主訴はなんなのか。単なる痛みだと思っても、前医への不信感がそこには隠れているのかもしれません。
「この歯科医院は歯だけを見ているのではなく、自分の話を聞いてくれる」そう思ってもらえることでリコールを通した長い関係が作れます。
『健診は痛みや不快感を与えない』
健診で来ている方は、健診中に痛みや不快感を与えないことが重要です。
せっかく健診に来たのに、歯ブラシのことで怒られたり、歯石を取るときに力任せにやられた、という話は患者さんから良く聞きます。
健診の間隔が空いてしまって時間内に取り切れない歯石や着色がついている場合でも、無理のない範囲で施術を行う事が大切です。
定期健診は、できるだけリラックスした良い体験にすることを心がけましょう。

▼受付ではデータを取り、予約を確約する

診療室だけではなく、受付での対応もリコール率はアップには欠かせないポイントです。
その際に重要な事は、しっかりとしたデータを取る、受付で健診の予約を確約する、の2つです。

『データを取る』
リコール率を話し合うにしても改善するにしても、現状がわからなくては何も始まりません。
リコールに関するデータは歯科医院おいて最重要となりますので確実に残すようにしましょう。
必要なデータは、リコール確約率とリコール来院率です。
・リコール確約率=リコールの予約した方/治療が終了した方+定期健診で来院した方
リコール確約率は、受付においてリコールの予約がどれくらい取れたかのデータになります。この数字を高く保つことで医院が安定してリコールを獲得出来ることになります。
・リコール来院率=リコール来院数/リコール予約数
リコール来院率は、リコールの予約をした方が実際に何人来院されたかがわかります。来院率が低い場合は、患者さんが満足していないか、来院を促す方法がうまくいっていない可能性があります。
受付業務は忙しいので、スタッフは嫌がるかもしれませんが、データを取ることの重要性を伝えてできる限り取るようにしましょう。
『受付でリコールの予約を確約する』
受付ではリコールの予約を確実に取るようにしましょう。
数カ月後の予約ですと、「予定がわからないので近くなったら電話します」と断られる事が多いと思います。
「直前でお電話いただいてもご希望の日時での予約が難しいこと」「事前に予約だけ取っておいて都合が悪い場合はキャンセルの電話をしてもらえば良いこと」などを伝えてなるべく予約のアポイントを入れるようにしましょう。

▼来院を促すツールは積極的に利用する

来院を促すツールはリコール率アップには欠かせません。
いかに診療室で良い体験をして次回の予約を取っても、数ヶ月のうちに忘れてしまうものです。
メールやLine、はがき、などの来院を促すツールで、患者さんに次回の予約が入っていることを認知してもらいましょう。
ツールは、患者層、立地などによって変わるかと思いますが、スタッフに負担がかからない長く続くものを選ぶと良いかと思います。
メールやLineはアポイントシステムと連動して自動で行えるものもありますので活用するのもおすすめです。

▼まとめ

リコール率をあげる3つのポイントについてお伝えしてきました。
リコールは歯科医院経営の柱となるものです。
診療室で患者さんの満足度をあげ、受付で予約を取り、認知ツールで足を運んでもらう。
今回お伝えしたことは、どれもちょっとした心がけで明日からでも出来るものだと思いますので、医院に導入することをおすすめします。

歯科医師K.A

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