・患者さんが途中で通院しなくなる
・リコールが定着しない
と悩んでいる先生方もいると思います。
来院数を減らさない改善策として、患者さんに歯の大切さを伝えている歯科医院も多いでしょう。
しかし、患者さんの本音を知らずに歯の大切さを伝えるだけでは、来院数は増えない傾向があります。
そこで今回は、患者さんの本音を知り、来院数を増やす方法について紹介していきます。
1患者さんが来院しない本音
患者さんが来院しない本音は、次のような理由が考えられます。
・通院する意味がないと感じる
人は意味を見いだしてから行動する傾向があります。
逆に人は、意味がないと感じると行動に移さないのです。
例えば、毎回のメインテナンスでは、同じような指導や処置内容になっていませんか?
口腔内が安定している場合には毎回、同じような処置になってしまうこともあります。
しかし、同じ処置内容になってしまうことを患者さんに伝えない場合には
・毎回同じ処置だから、もう歯医者で診てもらわないで大丈夫
・歯磨き指導も毎回同じような内容で定期検診って本当に意味がある?
と、患者さんは感じる可能性があります。
その結果、歯科医院に対して不信感を感じたり、来院が遠ざかったりするきっかけになりやすいです。
2来院数を増やす2つの方法
来院数を増やすには、次の2つの方法が効果的です。
・動機づけをする
・変化を与える
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
・動機づけをする
動機づけとは、人が設定した目標や目的を達成するために行動を起こすこと。
また、意欲的な状態を維持することです。
人は動機づけを設定することで、目標に向かって行動しようとします。
来院を途絶えるのを防ぐには、患者さん自身の動機づけを設定しましょう。
例えば、虫歯の痛みを取り除いてほしいと来院した方の場合には、次のように伝えましょう。
「虫歯の痛みは治療をすることで改善するでしょう。ただ、治療を途中で止めてしまうと痛みが再発する恐れがあります。痛みが出ると気が散って普段の生活を送るのが難しいですよね。痛みを再発させないためにも、被せ物を入れるまで一緒に頑張りましょう。」
痛みが辛くて来院した患者さんは痛みを感じなくなると、来院が途絶える可能性があります。治療を最後まで終えないと痛みが再発する可能性を伝えたり、被せ物を入れるまでの治療を明確な目標にしたりすることで、来院を途絶えるのを防ぐ効果があります。
他にも、メインテナンスで来院する方の場合は、今の良好な口の状態をキープするために定期的な検診が必要なことを伝えましょう。
その時には、口腔内を褒めるのがポイントです。
特に人は部分的に褒められると、それを維持し行動する傾向があります。
歯の専門家である院長やスタッフに「口腔内の状態が良い」と褒められれば、嬉しい患者さんも多いはずです。
患者さんは、褒められた部分を意欲的に維持しようと定期的にメインテナンスに通うようになるでしょう。
・変化を与える
変化を感じさせるには、実際に患者さん自身の目で確認するのが効果的です。
なぜなら、人は目からの情報を理解しやすい傾向があるからです。
例えば、「磨き残しが右上の奥歯にありました。」「歯石が付いています。」と言葉だけで伝えても、わかりづらい方もいます。
メインテナンスをする前と後の口腔内写真を比較するだけでも、変化を感じやすいでしょう。
患者さんが口腔内の変化を感じれば、メインテナンスは自分にとって必要な習慣のひとつになり、定期的に通うようになるでしょう。
3まとめ
患者さんの来院数を増やすには、次の2つの方法が効果的です。
・動機づけをする
・変化を与える
患者さん一人ひとり、歯科医院に通う理由があります。
その理由を明確にし、目標を設定することで来院が途絶えるのを防ぐ効果が期待できます。
もちろん、この方法は歯科医師だけでなくスタッフでも実践できます。
スタッフとも協力して、来院数を増やしていきましょう。
歯科衛生士 帆保智子