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主訴を最速で解決することでリコール患者を獲得する方法

2023.04.10

現在、保険診療を中心に診療している多くの歯科医院は、「リコール患者を中心に診療を行う」ことを目標としていると思います。
リコール患者を確保することが安定した経営につながることは、言うまでもないでしょう。
そしてリコールにつなげるため、初診ではカウンセリング、治療を急がずに口腔指導を行い、歯周治療を優先、同時にリコールの重要性を啓蒙していくというのが一般的な流れかと思います。
ですが、今回は、一見するとリコールに繋がらないと思われがちな「主訴を最速で解決」という観点からお話をしていきたいと思います。

▼信頼を得るために主訴解決を優先しましょう

結論から言いますと、リコールに繋げるのに必要なのは、信頼であり患者さんとの関係性です。
「歯が痛い」「詰め物が取れた」など多くの患者さんはなんらかの問題を抱えて歯科医院にきます。
まずは、患者さんの抱えている問題を解決することに全力を注ぎましょう。
問題を解決し、信頼を得た後、徐々に定期検診や予防の重要性を話すようにする方が遠回りのようで効果的です。
スマートフォンがなく、患者さん側が歯科医院を選ぶことができなかった時代であれば、歯科医院サイドが治療までの流れを決めることができたかもしれません。
ですが、スマートフォンで患者さん側が情報を得ることができ、自分で自分にあう歯科医院を選ぶことはできる時代には、いままでのような方針では患者さんの足は遠のいてしまうでしょう。

▼関係性を気付くことが結果、リコールにも繋がる

最初に患者さんの主訴を解決することで、患者さんとの関係性を気付くことができます。
また、患者さんも主訴を解決したことで心に余裕が生まれ「これをきっかけに他にもわるい場所があったら治したい」「クリーニングをうけたい」など他の処置を行うきっかけも生まれます。
主訴を最初に解決してしまうと、それで患者さんが来院しなくなってしまう、と思う先生方もいらっしゃると思いますが、そもそもそのような方は何をしても来院してこなくなるため気にしなくても大丈夫です。
主訴を最速で解決し、患者さんに満足していただき、その後にメンテナンスの重要性を啓蒙していきましょう。

▲治療のアポイントが埋まっている場合は応急処置でも大丈夫です

診療のアポイントが埋まっていて、初診で患者さんの処置を行えない、という場合もあるかとおもいます。
その場合には、応急処置、その時間も難しい場合には説明と投薬でも構いません。
歯科医師が患者さんの症状や不安に対して向き合い、何らかの処置を施してくれる、という行為自体が大切です。
極端な話、治療方針や治療回数といった、目安がつくだけでも患者さんは安心します。
可能であれば治療をできるにこしたことはないのですが、難しい場合にも患者さんの立場になって、何をすれば満足できるのかを考えることが重要です。

▼まとめ

スマホで患者さんが情報を入手し、数ある歯科医院を選ぶことができる時代、歯科医院側は患者さんの希望にも寄り添う必要があります。
最初に患者さんの主訴を解決し、関係性を得たあとで、リコールの重要性を伝えていく。
今までのように、医院の方針にあった患者さんを選定しながら経営をするのではなく、このような診療形態を模索してみるのも良いかと思います。
歯科医師 K.A.

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