歯科界は今までに誰も経験をしたことがない状態にあります。
新型コロナウィルスの影響で休業を余儀なくされている歯科医院、
そして休業すべきかどうか判断に悩んでいる歯科医院と様々です。
そんな歯科医の先生方に休業すべきかどうかを判断するために、知っておいて欲しい判断材料があります。今回は、新型コロナウィルスの影響で休業すべきかどうかの判断基準をご紹介していきます。
1.緊急事態宣言で歯科医院は休業すべきか?
厚生労働省からも緊急性のない治療は延期するように通達がありましたが、休業要請はありません。
理髪店も休業要請がなかったことで、テレビなどの報道でも補償が受けられないと話題になっています。
これは歯科医院でも同じで、むしろ歯科医院は医療である以上、患者さんが激減していても、休業要請が現時点ではありません。
したがって、歯科医院は緊急事態宣言があった現時点(2020.04.08)でも、休業は国からも都道府県からも強制はされていません。
歯科医院が休業すべきかどうかは、全て歯科医院の院長が判断しなくてはいけません。
しかし、院長は患者さんの治療経過、そして医院経営全てを総合的に判断して決定しなくてはいけないため、多くの先生が頭を悩ませているのです。
2.休業するときに知っておきたい融資・助成金について
休業するにしても、
・運転資金が何ヶ月あるのか
・従業員数は何名いるのか
・返済がある先生は毎月の返済額はいくらなのか
・賃貸であれば毎月の支払いはいくらか
全てを考慮して休業を決めなくていけません。
そんな先生方が休業という苦渋の決断をする際に知っておいて欲しい融資、助成金があります。
簡単に知っておいて欲しい融資と助成金についてご紹介していきます。
2-1.新型コロナウィルス感染症特別貸与
休業補償が歯科医院の場合は難しいですが、融資を低い金利で受けることができます。
売り上げ減少要件は5%となっています。
最近1ヶ月の売上高と、
・前年または前々年の同期と比較
・業歴3か月以上1年1ヶ月未満の場合は以下と比較
a過去3ヶ月の平均売上高
b令和元年12月の売上高
c令和元年10〜12月の売り上げ高の平均
といった条件があります。
資金のお使いみちは、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする設備資金および運転資金です。
融資限度額は6,000万円、利率は基準利率となります。
ただし、3,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%、4年目以降は基準利率となります。
返済期間は、設備資金は20年以内、運転資金は15年以内となっており、据え置き期間はいずれも5年以内となっています。
担保は無担保となります。
2-2.雇用調整助成金
休業するときとなったとき、絶対に使うべき助成金が「雇用調整助成金」です。
新型コロナウィルスの影響を受ける事業主の方は、生産指標要件が1か月5%以上低下していれば助成を受けることができます。
雇用保険未加入のパートにも助成金が支払われます。
解雇を行わない場合は最大で中小企業であれば9割の賃金補償を受けることができます。
計画書は事後提出が認められています。
支給限度日数は1年で100日まででしたが、4月1日から6月30日までの緊急対応期間が追加されています。
したがって、休業する歯科医院は、休業日数に応じた従業員の給料補償を助成金で受けることができます。
他にも今後、融資枠や助成金が追加されることもありますので、常に情報収集を行いましょう。
3.院長の考えを明確にしよう!
休業するかしないか、どちらにしても、歯科医院経営には大きな影響を与えます。
休業を判断するのは院長です。
歯科医療を患者さんのために行いたいという信念を貫くのであれば、歯科医院の売り上げ低下を覚悟して継続しなくてはいけません。
歯科医院で働くスタッフを感染症からも、そして雇用の面からも守るのであれば、休業を決断しなくてはいけないケースもあります。
院長にとってどちらも苦渋の決断です。
自分の信念はどこにあるのか、ぜひ改めて考えて、休業する際は必要な融資や助成金を活用しましょう。
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