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予防ツール活用法その2 口臭は測定するだけで終わってはいけない!

2020.06.22

最近では様々な口臭測定キットが各メーカーから発売されています。
分析する成分も違ったり、より詳細に成分が出たり、高機能の口臭測定器があります。

しかし、ただ口臭測定器を持っていても、うまく活用しないと、ただの歯科医院のオブジェになってしまいます。
一方でうまく活用すれば、患者さんのリコール率を格段に上げるための強力な武器にもなります。
そんな予防ツールとして今、注目されている口臭測定器の活用法についてご紹介していきます。

1.口臭測定ツールは口臭測定だけが目的ではない

口臭測定器は口臭の原因物質である硫化水素、メチルメルカプタンといった代表的なニオイ物質を測定することができます。

正確に分析することで歯周病由来か、消化器由来のニオイかを特定することができます。
そこまで正確な口臭測定ツールは、確かに口臭を測定するためにとても重要な役割を果たしています。

しかし、口臭測定器の目的は何も口臭を分析するだけではありません。

患者さんが測定して、どうやったら現状を変えることができるのか?
原因を教えてくれる大切なツールです。

検査結果から歯科医師、歯科衛生士がどうやって保健指導を行えば健康な状態になるかを考え、患者さんにあったケア方法を指導することができます。

検査もせずにやみくもに指導するよりも効率的な指導を行うことができます。
そういった患者さんにとってのメリットを伝え、口臭に悩んでいる患者さんの原因を突き止め、一緒に解決していくというプロセスに口臭測定器は大きな価値があるのです。

だから口臭測定器は口臭をただ測定するだけの機械ではないということなのです。

2.時系列で評価することに意味がある

口臭測定器だけに限らず、検査は時系列を追っていくことに意味があります。
今の状態から改善してくための証明にもなります。

逆に急激に口臭が悪化しているのであれば、生活習慣に何か大きなトラブルが発生している可能性もあります。
長く検査結果を積み重ねていくと、患者さんそれぞれの口臭の周期といったものがわかることがあります。

ストレスを感じやすい患者さんは月末になると口臭が悪化しやすい、月初めは気持ちが楽なので、口臭はそこまでひどくないといった結果が出ることもあります。

こういった患者さんの状態をしっかりと記録しておくことで、患者さんは調子が悪くなりそうなときに歯科医院のメンテナンスを受けるように促すことで、確実なリコールへとつながっていきます。

3.口臭治療のきっかけにも活用しよう

口臭は気になるけど実際、自分がどれくらいの口臭なのか数値でわかると驚かれる方も多いです。

できれば平均値以下であることを多くの方が望んでいます。
しかし、測定してみないとそれはわかりません。

初診検査の中にルーティンで口臭検査を入れておくことで、口臭を今まで気にしなかった方まで口臭が気になり、口臭治療に興味が湧くようになります。

問題がなかったとしても、口臭は年齢や体調に大きく影響されることを説明し、一定の間隔で受けるように勧めることで、歯科医院のリコール率アップにつながります。

このように、口臭測定器は歯科医院のリコール率に大きな役割を担っています。
ぜひ口臭測定器をお持ちの歯科医院の先生はぜひ活用してください。


追伸 先生の医院では口臭以外にも様々な検査があると思います。
歯周基本検査、レントゲン検査、唾液検査や歯周病菌検査、などなど。
一般的に、検査が示す数値や画像は患者さんにとってはよく理解できないものです。

その数値や画像を患者さんにとって価値のあるものになるよう説明することが必要なのです。

Dentist N

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